この地上において今― 住まいが未来を語り始めた 記事一覧
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この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇22 住宅評論家 本多信博 住宅にとってデザインとは 心を決める〝勝負服〟
今年は自粛生活を強いられた一年だった。マスコミは政府のコロナ対策への不満を繰り広げたが「批判をするのは簡単」という白けた気分を抱いた国民も多かったのではないか。意識するしないにかかわらず今は国民の多(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇21 住宅評論家 本多信博 働き方改革の憂愁 〝能力主義〟に追われる未来とは
テレワークや在宅勤務などの「働き方改革」は、企業の雇用形態を大きく変え、それが社会のあり方、ひいては男と女の関係(結婚制度など)にも大きな影響をもたらす可能性がある。 今、進められている「働き(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇20 住宅評論家 本多信博 コロナがくれた好機 なんのための人生かを考える
人はなんのためにこの世に生まれて来るのか。人間以外の動物はそんなことは考えない、と人間は思っている。しかし、本当にそうだろうか。ライオンや象や、空を飛ぶ鳥にも、水の中を泳ぐ魚にもなったことのない人間(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇19 住宅評論家 本多信博 キーワードは〝第三の居場所〟 互いに絡み合う2つの改革
日本のサラリーマン(雇用者)の割合は全就業者の9割弱と言われている。圧倒的に多い。残りは自営業者となる。サラリーマンは働く時間と場所が定められている。通常は朝の9時から夕方5時まで。では、アフターファイ(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇18 住宅評論家 本多信博 住まいのあり方を見直すなら 知性と感性を差し向けよう
いい家かどうかは住み手の価値観で決まる。たとえ狭くても住み手が必要とする機能を満たし、住み手の芸術的感性と住まいが醸し出す雰囲気がマッチしていれば住み手にとっては楽園となる。 逆に十分な広さがあり(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇17 住宅評論家 本多信博 コロナもいずれ収束する そのとき問われることは
いつかコロナが収束しても、コロナが気付かせてくれたことを忘れてはならない。 それは第一に、人間は住まいと地域を基盤に生活していること。第二に、家族が互いの心を思いやる場が住まいであること。第三に、互(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇16 住宅評論家 本多信博 明海大・朽方勇祐氏への返信 住まいを幸福の場にする技術
前回、「住まいには人を幸せにする大きな力がある」と書いたが、それは、住まいは生まれたばかりの人間にとっては、最初に体験する最も内部的な〝外部環境〟であるという事実と関係している。 つまり住まいは人(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇15 住宅評論家 本多信博 明海大・藤澤美月さんへの返信 時を超えた時間とは
住まいには人を幸せにする大きな力がある――私が拙著『住まい悠久』で最も言いたかったことはそれである。その本の感想文に明海大学不動産学部4年生の藤澤美月さんは「本書を読んで、〝悠久の住まい〟を実現するこ(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇14 住宅評論家 本多信博 明海大・はい島三弥氏への返信 紙面で真の対話を始めよう
先週(10月20日)号の「不動産の不思議」欄(4面)で、明海大学不動産学部4年生のはい島三弥氏が私の著書『住まい悠久』に対する感想を寄せてくれました。そこでお礼の意味も込めて、ご意見に対する私の見解を述べたい(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇13 住宅評論家 本多信博 〝気付き〟の哲学 理性と論理に埋もれる未来
テレビで野生動物の生態を 見ると感動する。彼らの動きは、〝気配〟を察知し、瞬時に反応する本能の連続である。敵はいないか、獲物はどこか、水場はあるか、そして仲間や家族と離れてしまっていないか――。 動物(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇12 住宅評論家 本多信博 「不動産女性塾」セミナー 深まる〝消費者志向〟
不動産女性塾(北澤艶子塾長)の第23回セミナーが9月29日、東京の明治記念館で開かれた。講師は消費者庁長官の伊藤明子氏。不動産女性塾は女性ならではのパワーを発揮し、業界の未来を明るく照らす人材育成を目的と(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇10 住宅評論家 本多信博 〝コロナ〟は何を変えたのか 自分を見つける〝幸福指標〟
14世紀にヨーロッパで流行したペスト(黒死病)は当時のヨーロッパ人の4分の1から3分の1の命を奪った。当然、人々の価値観は大きく変化し、農奴解放などその後の社会構造、産業構造にも大きな変革をもたらした。 (続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇11 住宅評論家 本多信博 ホクシンハウスの「FB工法」 冷・暖房に気付かない心地よさ
住まいはハードと感性からできている。双方との相性が住まい選びの決め手になる。ハードといえば「工法」。 日本の住宅には様々な工法がある。建て方の違いで木質軸組み、ツーバイフォー、金属ユニットなど。(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇9 住宅評論家 本多信博 今を予見していた〝SOHO〟 誰もがフリーランスに
住まいにテレワーク用のスペースをどう設けるかという議論が盛んだが、思い出すのはSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)という言葉だ。小さなオフィスと、寝泊まりもできるプライベート空間がセットになった物(続く) -
この地上において今― 住まいが未来を語り始めた ◇8 住宅評論家 本多信博 「対症療法」の罪 いつまでも幸福になれない日本
「花びらは散っても、花は散らない」――真宗大谷派の僧侶で仏教思想家、金子大栄の言葉だ。個としての人間は滅びても、自然の一部としてある命は永遠のものという思想だが、人は「そうした人間の本質を知ったうえで(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇7 住宅評論家 本多信博 「営業」が変わる 人間と機械の新関係
不動産業界では最近、住まいやオフィスはハードではなく、住まい方や働き方などのソフトが重要なのだと言い始めた。では、ハードとソフトの関係はどうなっているのか。ソフトを生む道具がハードである。音楽を奏で(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇6 住宅評論家 本多信博 不確実な未来への投資 〝一生に一度〟ではない住まい
ある農業経営者からの手紙――。 「近年は高温多湿で、雑草の伸びが半端ではありません。少しの期間で腰ぐらいの高さまで伸びてしまいます。見かねて、隣の畑の青年が、ラビットモアというゴーカートのような乗(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇5 住宅評論家 本多信博 感性が〝泉〟のごとく 生きている証し
住宅を原因とする病気は、建材や内装材が発する揮発性化学物質によるシックハウス症候群に限らない。狭い部屋で風通しも悪く息苦しさを感じる環境下にいればそれだけで心は閉ざされ、晴れない気持ちが鬱積すれば体(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇4 住宅評論家 本多信博 BESS渾身の「程々の家」 〝間の文化〟こそ、日本の伝統
日本では部屋を間(ま)とも呼ぶ。控えの間、ひと間、ふた間など。間という言葉には日本独特の感性が潜む。間を置く、間を見計らう、間をうかがう――そこには和を尊ぶ日本人らしく、間の悪い思いをしたくない、人にも(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇3 住宅評論家 本多信博 夢膨らむ〝リモート社会〟 働く自由が心を広げる
リモートワークを前提に東京から脱出する動きが出始めたのだろうか。ニッセイ基礎研究所のレポート(佐久間誠氏)では、「東京都への人口流入は足元でストップし、20 年5月は1069人の転出超となった。新型コロナウイ(続く)