この地上において今― 住まいが未来を語り始めた 記事一覧
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この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇42 住宅評論家 本多信博 最後の結論 自分を取り戻す場
人が住まいを求めるのは、 「幸せ」という目に見えないものを、形にして手に入れようとする行為である。だとすれば、住まいはハードではなく、そこでどんな暮らしが実現するのかというソフトが重要になる。つまり(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇41 住宅評論家 本多信博 そろそろ結論 (4) ロボットに優しいかたち
未来の住まいのかたちは、人間がどこまでロボットの能力に依存するかにかかっている。自動洗濯機、自動食器洗い機、掃除ロボットなど今でも家事の一部が自動機械に託され始めていることを踏まえれば、いずれは料理(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇40 住宅評論家 本多信博 そろそろ結論 (3) 人生にとって住まいとは
国土交通省資料によれば解体壊された住宅の平均築年数は、日本は30年、アメリカは55年、イギリスは77年となっている。日本では住宅の寿命が人間の平均寿命の半分にも届かない。これでは、長期の住宅ローンを払い終(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇39 住宅評論家 本多信博 そろそろ結論 (2) 賃貸に新たな使命を
親の家で育った子供もいずれ独立し、アパートや社宅などの賃貸住宅で暮らすようになる。仮に親の家(実家)から学校や会社に通うことができたとしても〝一人暮らし〟に憧れるのが若者の常である。なぜなら、自分の棲(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇38 住宅評論家 本多信博 そろそろ結論 (1) 空き家が増える本当の理由
日本で空き家がこんなにも 増えている理由は、住宅が一世代限りの消耗財になっているからだ。子は親の家で育ち、思い出がいっぱい詰まっているはずなのに、今はその家を引き継ぐケースがあまりにも少ない。 それ(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇37 住宅評論家 本多信博 見飽きない家 普遍性の中に宿る個性
30代前半、私が新婚生活を 過ごしたアパートは既にない。西船橋(船橋市)の住宅街の一角だったが、私たちが転居して10年も経たないうちに取り壊され、今は無味乾燥なトランクルームが建っている。もし今でも残って(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇36 住宅評論家 本多信博 不動産テックの明暗 〝AI効果〟という落とし穴
人工知能(AI)搭載のロボットは、想定される外部環境の変化に応じて、動いたり声を発したりするようにプログラムされている。例えば、人間からこういう質問をされたらこう答えるように(チャットボット)、あるいは、(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇35 住宅評論家 本多信博 人間衰退期の「住宅論」 感性と直感を失えば
不動産の産が「産業」の産 と同じであるため、おかしな言い回しが常態化している。例えば「自動車産業」という言い方を不動産に当てはめるなら、「不動産産業」と言わなければならない。「不動産業」という言い方(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇34 住宅評論家 本多信博 たかが住まい、されど―― 住まいには人間の真実が
多くの人が「病院では死に たくない」と言う。「最期はわが家の畳の上で」と願う。だが、それはなぜなのか。 考えてみると、今はほぼ百パーセントの人が、病院で生まれる。だから、病院で死ぬのが自然という意見(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇33 住宅評論家 本多信博 続・課題は「当事者意識」 「自分自身」になる
過去については、地球が誕生した46億年も前のことでも科学的に分かっているのに、未来については10年先のことも予測できない。しかし、それは人類にとって不幸なことではなく、むしろ〝希望〟である。なぜなら、未(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇32 住宅評論家 本多信博 課題は「当事者意識」 「個人も企業も業界も」
リブラン創業者の鈴木静雄氏は2月24日、経営実践研究会の不動産・住宅建築部会のセミナー(オンライン併設)で講演した。同研究会は本業を通じた社会貢献活動を行い、地域の課題を解決することを目指す経営者の集ま(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇31 住宅評論家 本多信博 不動産業は「アート」 住まいは〝哲学〟
この地上をキャンパスにして、〝街〟というアートに挑むのが不動産業なら、その一角を埋める住まいには哲学が求められている。なぜなら、住まいは生活の基盤だが、何をもって〝基盤〟とするかは哲学の問題だからで(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇30 住宅評論家 本多信博 「内需の柱」でなくなる日 住宅を新たな高みに
住宅は「内需の柱」とずっと言われてきた。しかし、国土交通省の発表によれば20年度の建設投資額は前年度比3.4%減の63兆1600億円でGDP(国内総生産)に占める比率は9.7%となる見込みだ。うち、民間住宅投資の比率は2(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇29 住宅評論家 本多信博 もう「入居者」とは呼べない 借り手のエージェントは誰か
「空室あり」「入居者募集」という表示をいまだにアパートの壁などに見る。「入居者募集」はタクシー会社や鉄道会社が「運転手募集」と呼び掛けるのと同じ感覚だ。 「運転手募集」のほうは、会社が職種を明確に(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇28 住宅評論家 本多信博 賃貸住宅経営近代化に必須 「定借」を敬遠する時代は終わった
今年6月から「賃貸住宅管理業法」に基づく管理業者としての登録義務制度が始まる。200戸以上を管理している業者が対象だが、登録には「業務管理者」(以下、管理者)の設置が必要になる。その管理者として認定される(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇27 住宅評論家 本多信博 なぜ報酬に上限が サービス競争を阻害
日本は資本主義、かつ自由主義を理念とする社会なのだから、サービスや商品の価格に上限が定められていたらおかしくないだろうか。媒介報酬の上限規定のことである。 特に気になるのが賃貸住宅の媒介報酬(仲介手(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇26 住宅評論家 本多信博 家常茶飯(かじょうさはん) 〝家〟が意味するものを求めて
住む場所を表す言葉として 近年、業界でもよく使われるのが「住まい」である。「住宅」が建物というハード的意味合いが強いのに対し、「住まい」には暮らしというソフトな意味合いが感じられるからだろう。 この(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇25 住宅評論家 本多信博 人間は間違える生き物である 幸せだから家を買う
「人間だから間違えることもある」とはよく聞く言葉だが、裏返せば「大事なところでは間違えない」というニュアンスがある。しかし果たして、そうだろうか。 ◇ ◇ 誰もが人間はこの地球上(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇24 住宅評論家 本多信博 展望も推測も困難だから 確固とした信念を持つ
コロナで社会がどう変わるか変わらないのか、多少なりとも先を見通さなければ一歩も前に踏み出せない、そんな状況に今は誰もが苦しんでいる。なぜなら我らは今、パンデミックを共に経験しながらも、その先に期待す(続く) -
この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇23 住宅評論家 本多信博 「人」とは何か 幸せの意味を問う小さな存在
「働き方改革」の根本には仕事とは何かという問い掛けがなければならない。仕事の意味も分からず、働き方改革を論じても意味がない。仕事は「世のため人のため」にある。フランスの哲学者アランもこう言っている。(続く)