政府は6月4日、23年度「森林・林業白書」を閣議決定し、公表した。森林・林業基本法に基づき、政府が森林や林業の動向と国の施策をまとめ、毎年国会に提出している年次報告書。
同白書のうち、「木材需給・利用と木材産業」の章では、建築分野における木材利用の動向について記載。CLTや木質大火部材等の技術開発が進展し、建築基準の合理化など制度面の対応も進んだことから、木材を使用した10階建て以上の建築物も実現していると評価した。
併せて、木材利用の更なる促進へ向け、設計者等の育成、標準的な設計・工法の普及、部材の標準化といった環境整備を推進すると共に、「都市(まち)の木造化推進法」に基づく建築物木材利用促進協定の締結など、「都市の木造化・木質化に向けた官民挙げた取り組みを実施」(同白書より)していく方針を明記している。
このほか、木材産業の競争力強化に向け、一般消費者を対象とした木材利用の普及啓発や、非住宅・中高層建築物への木材利用拡大を図るためのCLT規格標準化、木質耐火部材の技術開発推進といった政策についても盛り込んだ。
(写真) 木材を利用した中高層建築の事例として掲載された「銀座髙木ビル」(シェルター提供写真、同白書より抜粋)