注目のマンション

注目のマンション 第4回 積水ハウス「グランドメゾン狛江」

 積水ハウスの「グランドメゾン狛江」が7月半ばに竣工した。

 総戸数524戸の大規模物件で、そのうち既に139戸は入居済み。現在は第4期4次の販売中だ。

 約1万9000m2の敷地は、北と西に面したL字型で、狛江通り沿いの西側を斜めに引き延ばしたような変形地である。

 西と北の面積が広いという難しい敷地条件では、配棟計画が肝になる。「グランドメゾン狛江」では、西側と東側にそれぞれ5棟ずつ、何と10棟にも分けて建物を配置している。特に西側の4棟は雁行させることで光と風を取り入れる工夫を施した。

 また、外から眺めるとよく分かるのだが、住戸のベランダ部分の出っ張りが互い違いになっていて、外観にリズムを生み出している。そのためプラン数も125タイプと豊富で、特にベランダの形状や広さに工夫ある間取りが多い。

 もしもこれが1棟の板状型でかつベランダが一列に並んだマンションだったら、プランが単調になるだけでなく、外側から見た時の印象はのっぺりとして圧迫感があったはずだ。分棟や雁行、ベランダ位置へのこだわりからは、居住者だけでなく周辺環境への配慮も見て取れる。

 周辺環境といえば、狛江は緑の多いエリアである。当マンションも以前は多くの緑があったため、7階建ての上まで届くイチョウやヒマラヤスギの大木数本を含む約120本の既存樹を残し、そのうえ1万8千本を新たに植樹した。

 多摩川の水の流れに見立てた自然石が並ぶ中庭も圧巻。石だけで実際に水を入れなかったのは、「後々の管理のしやすさを考慮したため」という、姿勢にも共感した。

 「グランドメゾン狛江」は小田急小田原線狛江駅徒歩6分、地上9階建てと15階建て、75m2の3LDKが中心で価格は4400~5790万円。