国土交通省が9月20日に発表した2011年都道府県地価調査によると、7月1日時点の地価は、前年比3.4%下落した。住宅地は同3.2%下落、商業地も同4.0%下落したものの、昨年調査(住宅地は3.4%下落、商業地は4.6%下落)に比べると、下落率はそれぞれ縮小している。
ただし、地価公示(1月1日時点)との共通地点で半年毎の動きを見ると、東日本大震災のあった後半(1~7月)は下落率が拡大。住宅地は、前半(1~6月)が前年同期比1.2%下落だったのに対し、後半は同1.3%下落、商業地は前半が同1.7%下落だったのに対し、後半は同1.8%下落だった。
都市圏別に見ると、東京圏、名古屋圏は震災後、弱い動き。住宅地、商業地とも下落率が拡大している。一方、大阪圏は1年間、下落率縮小の動きが続いている。住宅地は前半が1.0%下落、後半が0.7%下落、商業地は前半が1.4%下落、後半は1.1%下落だった。大阪市内では、マンション需要が高まっているほか、兵庫県でも住宅需要が旺盛だという。
また、震災被災地の岩手県、宮城県、福島県は、住宅地で下落率が拡大。福島県は商業地でも下落率が拡大している。なお、同3県は86地点で調査を休止している。