政策 総合

増加する空き家、将来展望と新法効果でセミナー 富士通総研・米山氏

 富士通総研経済研究所・上席主任研究員の米山秀隆氏は3月4日、マスコミ関係者を対象に「空き家率の将来展望と空家対策特別措置法の効果」と題するセミナーを開催した。

 2013年時点の13.5%という空き家率が20年後にはどうなっているかについて、新設住宅着工戸数と滅失率(除却率)が直近の数値で推移した場合は28.5%に上昇し、また、新設着工が段階的に減少し、更に、除却率が段階的に上昇し最終的に2倍になった場合でも空き家率は22.8%に拡大すると予想した。

 そして、空き家除却を2倍にすることは非常に困難で、「新たに設けられた空家対策特別措置法だけでなく、行政と民間が一体となった住宅流通活性化策やまちづくり政策などが必要」とし、自治体や民間不動産会社の先進的取り組み事例の紹介などがなされた。

 なお、住宅新報社は4月7日に大阪で、8日には東京で「増える空き家の現状と課題、ビジネス可能性と実務上のポイント」と題するセミナーを開催する。

 2月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が一部施行、5月26日から全面施行されるが、今回のセミナーでは同法律の概要を紹介すると共に、ビジネス可能性や実務上のポイントを分かりやすく解説する。

 3部構成で、第1部は富士通総研経済研究所上席主任研究員の米山秀隆氏が「急増する空き家の現状と課題」と題して講演する。第2部は弁護士の江口正夫氏による法律の解説など。第3部は実際に「空き家ビジネス」を手掛けている三好不動産(福岡)とエステートプロモーション北九州の担当者から、ビジネス概要と今後の可能性などについての報告がなされる。

 7日の大阪会場はエル・おおさか(大阪市中央区)、8日の東京会場は中央大学駿河台記念館(千代田区)。時間は午後1時~4時50分(両会場共通)。受講料(税込)は2万5000円で後援団体加盟社や住宅新報定期購読者、4月1日までの早割申込者は2万円。

 詳しくは住宅新報社制作本部、電話03(6403)7809。もしくはホームページ(http://www.jutaku-s.com/seminar)を参照。