政策 総合

民泊「もっと実態調査を」 参院予算委で質疑白熱

 5月17日の参議院予算委員会で、違法民泊の実態を巡る質疑が行われた。
 質問に立った民進党の福山哲郎参議院議員が、先ごろ京都市が公表した民泊実態調査(調査期間は2015年12月~2016年3月末)の結果を紹介した。同市では民泊施設の所在地が半数以上で特定できなかったこと、全体の約7割に当たる1847件が旅館業法上の無許可営業と推測されることなどを挙げ、全国的な実態把握が十分でないと指摘。また、所在地が分からなければ感染症の蔓延やテロなどを引き起こす、と警鐘を鳴らした。
 これに対して塩崎恭久厚生労働大臣が、観光庁と共催している検討会でのルールづくりにおいて「民泊を行政の把握可能な状態に置く。感染症の追跡を含めて、きちんとした政策をつくる」考えを述べた。
 民泊の規制の在り方を盛り込んだ答申をまとめた、規制改革会議を所管する河野太郎内閣府特命担当大臣も答弁。「(民泊が)実態として先行しているのは事実。明らかになっている課題に対応できるよう法整備の議論をしている」「民泊はこれまでなかったサービス。それを、この国の経済にどう取り入れていくのかは非常に重要」などと述べた。同大臣の見解に、福山議員は「違法のものを合法化することが規制緩和ではない」と強い口調で返した。