住友林業は米国・ノースカロライナ州に、現地子会社を通じて住宅構造用部材の製造工場を着工、23年12月に竣工、24年第1四半期(1~3月)の稼働開始を予定している。同工場では戸建・集合住宅の壁パネルや屋根・床トラスを製造するほか、住宅構造用部材と同社グループのフレーミングや内外装工事などの施工機能を合わせて販売し、材工一貫でサービスを提供する。
将来的には窓やドアをはじめとした建材の販売なども手掛け、同州での高品質な部材の安定供給を目指すとともに、米国で進めているパネル設計、製造、配送、施工までを一貫して提供するFITP (Fully Integrated Turn key Provider)事業の更なる拡大を図る。総投資額は約34.4億円を見込む。
同社グループは30年までの長期ビジョンで米国の年間住宅供給戸数を2万3,000戸に拡大する方針を掲げている。本工場では同年までに年間2,800戸分の住宅構造用部材の生産を計画しており、米国東海岸南部で安定した資材調達・供給網の構築を図る。
工場の運営には昨年9月に買収した、トラス・パネルなどの製造を手掛けるストラクチュアルグループ(メリーランド州)の事業運営ノウハウを活用するほか、同9月に設立した、F ITP事業を統括・推進する100%子会社のビルダー・ソリューションズグループ(テキサス州)が運営を統括する。グループ間の連携を進めることで、グループが米国内外に持つ木材・建材の仕入れ・流通機能を活用し、住宅構造用部材のサプライチェーン強化、価格競争力向上を進め、FITP事業全体の効率化を図る。米国東海岸南部でのFITP事業を早期確立し、住宅・建築・不動産事業を拡大するほか、木材建材事業における新規流通網の開拓と拡大、新規事業の創出を図り、グループの収益拡大・収益源の多様化を促進する方針だ。