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AI対応が、人間のリアルな接客に近づいていく 不動産テック協会

 不動産テック協会(東京都渋谷区)は、同協会下部組織で、生成AI(人工知能)による不動産テックサービスや不動産会社での業務の活用を考えるAI活用推進部会を、東京都内で開催した。

 同協会理事の和田浩明氏(GOGEN代表取締役CEO)は開催にあたり、「不動産関連業務に生成AIがどのように影響し、活用できるのかを考え、実際の取り組みのプロジェクト事例からそれらの方向性を導きたい」とあいさつした。 

 LIFULL(東京都千代田区)LIFULL HOME‘S事業本部イノベーション開発室ジェネレーティブAIプロダクト開発ユニット・ユニット長エンジニアマネージャーの山崎顕司氏は、生成AIを活用した取り組み事例で、国土交通省がオープンデータとして公開した「不動産情報ライブラリ」とデータ連携させた同社が提供している、無料通信アプリLINEで24時間いつでも住み替え相談ができる「AIホームズくん」や、生成AIと掛け合わせた同社提供の街の評判データベース「まちむすび」と、GPTs版「LIFULL HOME‘S」を紹介した。

 その上で、「従来のシステム開発は、じっくりと時間をかけて完成形にもっていたが、生成AIを活用することで、一定程度の完成度のプロトタイプレベルを迅速に開発できる。ただ、生成AIは現状で不確実性もあり、それを否定せずにふまえつつ、柔軟にとらえて活用してみるべき。利用者からの改善点のフィードバックを受けて試行錯誤から学びを得て、チューニング(微調整)しながら機能更新することで、新たなシステムを生み出せる」と解説した。

 同社と2024年7月に、住まい探しの支援サービス「ノムコムAIアドバイザー」を共同開発した野村不動産ソリューションズ(東京都新宿区)デジタルマーケティング推進部推進一課上級主任の佐野洋佑氏は、「従来の物件検索サービスとは一線を画し、情報を深堀りをして調べることができる」と、同支援サービスの特徴を説明した。

 続いて、前述の3者のパネルディカッションで、3者の発言の要旨として、「不動産業務での現状の生成AIの活用場面は、反響や問い合わせの対応にとどまる。人間が直接の接客をするわけではないため、成約業務までは実現できていない。ただ、近い将来には、住まい探しでのAIとの対話内容の声のトーンから解析した顧客の温度感に合わせた自動応答が可能になる。人間が対応してきた従来のリアルな対面と近い形のAIによる商談が実現される」と展望した。