ポラスは6月30日に「学生・建築デザインコンペティション」の公開審査会と表彰式を開催。1次選考の書類審査を突破した5組がプレゼンテーションに挑み、武蔵野大学の小林由芽さんと野澤沙帆さんの「暮らしは路にこぼれて」(写真)が最優秀賞を獲得した。12回目の開催となる今回は、「〝t軸〟の家/家々」をテーマに、登録件数996件、応募作品は599点に上った。
小林さんと野澤さんは、かつて独自の交流や行動を創出する場として機能していた路地に着目。正方形のグリッドをシャッフルしてできた隙間を基に道や中間領域を形成し、具体的な行動を想定しながら立体構造を考える設計手法を採用することで、住民同士が開かれた空間で循環するつながりを育む7戸の集合住宅を提案。「敷地全体を有機的に使っている」といった高評価を得た。
最優秀賞以外の主な受賞作品は次の通り(以下敬称略)。
優秀賞=「編まれる時間の住まい 分断された生活行動を連続する時間体験へ」所新太郎 (慶應義塾大学大学院)、井口雄貴(同)、鈴木 理沙(同)▽入選=「レジリエントな土壁」儲立人(デルフト工科大学大学院)、宋宇軒(中国美術学院)▽「月と太陽の降る里」矢野泉和(九州大学大学院)、菊池慎太郎(九州大学)、山之口涼霞(同)▽「はみ出す境界、つながるのりしろ」村上寛明(広島工業大学大学院)、中村日香(同)
RI賞=「つれづれ土間 土間を介する気ままなコミュニティ」笹本健二郎(日本大学)▽「和える家」大野夕菜(法政大学)、松島ひなた(同)▽「エンドロピーと共棲する家 『動的平衡』がもたらす持続可能な住空間」脇本一心(芝浦工業大学)、大池智美(同)▽「暮らしの轍」軽井駿成(大阪工業大学大学院)、山口あずさ(大阪工業大学)▽「受容×1,000mm」藤田明日美(室蘭工業大学)、石田薫奈(同)
UJ賞=「崩れる家」中田梨乃(長岡造形大学)、中谷さくら(同)▽「絡まる」佐久間雄勇次(東京電機大学)、阿部奏大(同)、柿沼瑞希(同)▽「時間をたがやす住まい 暮らしの根をおろし、時間とともに育てる住まいの提案」坪内陽菜(豊田工業高等専門学校)、奥田華帆(同)▽「住まいは手のひらの糸」梶原優希(青山製図専門学校)▽「ひなたおにとひかげおに」鈴木瑠之輔(早稲田大学)、森脇帆風(同)▽「農をまとう住処 そだて、そだち、はぐくむ暮らしの提案」平出さつき(京都美術工芸大学)▽「けんどん日和 短期間で変わる柔軟な家々」長谷川代羽(名城大学)、北住穂果(愛知淑徳大学)、河野陽奈(同)、海道匠(愛知工業大学)▽「電気を消したくなる家」高橋陽向(東北工業大学)、池田颯人(同)▽「余白」三島幸咲(米子工業高等専門学校)、坪倉杏奈(同)、赤路素春(同)、浅田渓達(同)、河上冬馬(同)▽「ページのあいだに住まう 壁のすき間に生まれる、記憶とつながりのたまり場」芝優花(日本大学)、鈴木凛(同)、清悠空(同)