Chatwork(東京都港区)と船井総合研究所(東京都千代田区)は、デジタル技術の活用で、現場でのミスやクレームをゼロに近付ける方法と、成功事例を紹介する住宅業界向けセミナーを5月11日に開催し、ウェブで配信した。
船井総合研究所の伊藤嘉彦氏は、少しでも現場のミスやクレームを減らすことが顧客満足度の向上につながるとの観点で、「業績が上がると、現場数の増加からミスが発生しがち。建築計画は2次元の図面から3次元に頭を切り替える必要性があり、打ち合わせから着工までの登場人物が多く、工程も長いので接客や商談で誤解を生じやすい。ミスなどの多くは〝情報伝達の不備〟にある」と指摘した。
特に「小さな企業では、業務や役割分担が不明瞭。住宅業は土地探しや契約、仕様の決定まではいわば〝小売業〟で、その後の着工から完成までは〝製造業〟となる。この業務の境界線の前後の場面で、引継ぎや情報伝達をしっかりと行うことが重要。それを強く認識し、最新のデジタル技術を導入することがポイントになる」と解説した。
Chatworkの大原瞳氏は、ミスの防止のために有用な情報伝達・共有ツールとして、同社の提供するチャットサービスを紹介した。「特長点として、メールよりも社内外を容易に密につなぐグループチャットや、タスク管理、画像・動画を共有するファイル管理、電話の代わりになるビデオ・音声通話の各機能を搭載している。相手に正しく、確実に伝ったことの確認もできる」と説明した。
同サービスを現在活用している、ある注文住宅会社やリフォーム会社では、「電話対応が7割減り、業務を効率化している。内定者とのコミュニケーションの場面でも活用し、内定の辞退を防いでいる」と成功事例を紹介。これらの企業の共通点として、「件名の統一化や、利用者権限の設定など、活用方法の〝ルールづくり〟が鍵」と解説した。