国土交通省は6月30日、5月分の建築着工統計調査報告を発表した。それによると、新設住宅着工戸数は前年同月比9.9%増の7万178戸で、3カ月連続の増加となった。持家および貸家、分譲住宅がいずれも増加したため。直近10年間では下から4番目の水準。
新設住宅着工床面積は585万2000m2(前年同月比12.6%増)で2カ月連続の増加となった。また季節調整済年率換算値は87万5000戸(前月比0.9%減)で、5カ月ぶりに減少した。
戸数の内訳を見ると、持家は2万2887戸(前年同月比16.2%増)で7カ月連続の増加。民間資金による持家が2万689戸(同16.7%増)と7カ月連続で増加したことに加え、公的資金による持家も2198戸(同11.5%増)と4カ月ぶりに増加に転じており、持家全体の戸数を押し上げた。同省建設経済統計調査室が事業者へ行ったヒアリングによると、住宅展示場への来場者数が回復傾向にあるという。特に前年の同期間はコロナ禍の影響に伴う展示場休止などもあったため、今期の増加率が際立った。
また、貸家は2万5074戸(前年同月比4.3%増)で3カ月連続の増加。このうち公的資金による貸家は2430戸(同27.8%増)で、10カ月ぶりの増加となったことなどを受けたため。
分譲住宅は2万1426戸(前年同月比8.4%増)で、先月の減少から再び増加に転じた。このうちマンションは9444戸(同1.6%増)で、3カ月連続の増加。また、戸建ては1万1797戸(同13.6%増)で18カ月ぶりの増加となった。これは直近10年間の同月戸数では上から3番目に高い水準。同調査室によると、大手事業者からは、昨春にストップしていた土地の仕入れが再開し、例年並みの水準に回復したという声が聞かれるという。
なお、同調査室では、ウッドショックに関して統計上は表れていないとした上で、「国交省全体では現場に影響が出ないよう対応を進めている」と説明した。