国土交通省は8月31日、22年7月の建築着工統計調査報告を発表した。それによると、新設住宅着工戸数は7万2981戸(前年同月比5.4%減)で、直近10年間(7月分)では下から3番目の低水準となった。貸家は増加したが、持ち家および分譲住宅が減少したため、総計では3カ月連続で減少した。持ち家は6月に続き、最低水準となった。
7月の新設住宅着工床面積は588万1000m2(前年同月比7.4%減)で3カ月連続の減少となった。また、季節調整済年率換算値は82万5000戸(前月比2.4%減)で、先月の増加から再び減少に転じた。
利用関係別では、持ち家は2万2406戸(前年同月比14.1%減)で8カ月連続の減少。直近10年間の水準は先月に続き最低水準となった。住宅局によると、「事業者へのヒアリングでは、建築部材や設備費高騰について苦労はしているが、代替対応等がなされているという。着工戸数の減少となる影響までは確認されていない」としている。
貸家は2万9668戸(同1.5%増)で、17カ月連続の増加。このうち民間資金による貸家は2万6749戸(同0.8%増)で先月の減少から再び増加しており、公的資金による貸家も2919戸(同8.4%増)で2カ月連続の増加となった。
分譲住宅は全体で2万612戸(同4.0%減)となり、先月の増加から再び減少した。このうちマンションは8053戸(同11.7%減)と先月の増加から減少に転じた。また、戸建て住宅は1万2461戸(同1.8%増)で15カ月連続の増加となり、直近10年間では上から2番目の高水準となった。
地域別で見ると、貸家は首都圏が前年同月比13.7%増で全国平均に対して大幅な増加となった一方、中部圏および近畿圏では二桁の大幅減少となった。その他地域では、分譲マンションが前年同月比25.2%増となったことを受けて分譲住宅全体も同10.6%増となり、全国平均とは異なる様相を示している。
同省統計調査室では、着工戸数総計および床面積について、直近3カ月では前年同月比の下げ幅が最も大きくなった点を指摘。マクロでは底堅い動きが続くと見ながらも、今後の動向に注視する姿勢を示した。