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YKK AP ハイブリッド枠の樹脂窓発売 新設の性能等級に大開口でも対応

 YKK APは10月3日、樹脂窓にアルミ樹脂複合枠を組み合わせた住宅用樹脂窓「APW331」ハイブリッドスライディングを全国で発売する。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた政府の取り組みが加速し、住宅性能表示制度における断熱等性能等級の見直しが進む中、業界で初めて障子に樹脂、枠にアルミ樹脂複合を採用し、異なる2つの材質を組み合わせたハイブリッド構造を採用することで、高い断熱性で大開口を実現した。

 大開口窓は近年人気が上昇しており、同社製品の大型サイズの出荷数は前年比の2倍に伸長した。一方で、大型サイズの窓を完成品で供給するため、施工現場へ運搬・搬入する際に大きさや重さから取り扱いが課題だった。

 更に、窓は熱の流入・流出が最も多い箇所であることから高い断熱性が求められる中、断熱等性能等級の基準が見直され、今年4月に最高等級が省エネ基準の等級4からZEH基準の5に引き上げられたほか、10月にはそれを上回る等級6.7の施行が控えている。これに伴い、10月からは長期優良住宅など優遇制度の要件も等級4から等級5に引き上げられる。こうした背景を踏まえ、「(新設の)等級6.7への対応は樹脂窓でなければできないが、等級6.7での最大サイズを狙った」(堀秀充社長)。

 同商品は、樹脂窓にアルミ樹脂複合枠を組み合わせた構造を採用することで、組み立て前の部材を出荷し現場で組み立てるノックダウン供給を実現。運搬・搬入の課題を解決すると共に、これまでの最大サイズW9尺(幅2600ミリ)×H22(高さ2230ミリ)をW12尺(幅3510ミリ)×H24(高さ2430ミリ)に拡大。引き違いテラス戸、シャッター付き引き違いテラス戸の双方に対応し、開放感と眺望性を実現した。

 ガラスはLow―E複層ガラス、真空トリプルガラスなどを選択可能とすることで、新設される断熱等性能等級6.7に対応した。既存の樹脂枠(見付49ミリ)の約3分の1の見付15ミリのスリムな枠を採用することで、意匠性を向上させると共に、採光面積をこれまでの1.5倍に拡大した。更に、耐震フレームとセットでの提案によって、窓を減らすことなく開口部の耐震補強も可能とした。

 メーカー希望小売価格は、「引違いテラス戸(幅1690ミリ×高さ2030ミリ)」で12万700円、「引違いテラス戸(幅3510ミリ×高さ2430ミリ)」で46万8800円(すべて組み立て費、現場搬入費、取り付け費などは別途、税別)。23年度で売上高7億円を目指す。