国土交通省は8月21日、20年第2四半期版(7月1日時点)の「地価LOOKレポート」をまとめ、公表した。新型コロナウイルス感染症の影響を主因として、これまで続いてきた「緩やかな上昇傾向」から大幅な変化が見られた。
今回のレポートではそれぞれ、「上昇」区分の地区が前四半期の73地区から1地区に減少、「横ばい」地区が同23地区から61地区に増加、「下落」区分の地区が同4地区から38地区に増加。「横ばい」が最多ながら、「下落」の割合も大幅に増加している。
同感染症によるインバウンド観光客の急減や、商業・宿泊施設の収益率低下に伴う土地取引の停滞などにより、地価の上昇傾向がほぼ見られなくなった。前四半期でも、6年ぶりの「下落」地区が見られるなど同感染症の影響は表れていたものの、今回はより顕著に状況の変化が示された形だ。
ただし同省地価調査課によると、商業店舗等と異なりマンションやオフィスの需給バランスに大きな変化は確認されていない。また「取引の需要サイドと供給サイドの双方が様子見をしている段階であり、上昇・下落どちらの傾向とも判断しがたい」(同課担当者)として、先行きは極めて不透明であるとの認識を示した。
同レポートは、主要都市の高度利用地として全国100地区を対象に四半期ごとに実施している地価動向調査で、地価の先行的な動向を明らかにするものと位置付けられている。
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