飯田グループの一建設は、構造用パーティクルボードを用いた耐力壁で「壁倍率5」の大臣認定を7月26日付けで取得した。
同社は19年度から特に構造や外皮おける仕様の向上を進め、22年3月15日以降の確認申請分から、住宅性能評価の5分野8項目での全棟最高等級取得を標準化した。一方で、構造用面材の使用量の大幅な増加、資材や人件費の高騰といった現在の市場動向を踏まえ、耐力壁の高耐力化によって、使用面材量を削減する構造計画の見直しを検討してきた。
今回の大臣認定取得によって、倍率4.3の軸組仕様とほぼ変わらない施工手間で倍率5.0を運用することが可能となったほか、許容応力度計算(構造計算)で用いることができる耐力壁の実性能値(短期許容せん断耐力)は大壁直張り仕様で5.5倍相当、大壁片側受け材仕様で5.7倍相当に上り、木造2階建ての耐震・耐風性能が向上する。
また、構造計算が必要な木造3階建てでは、更なるコスト削減効果を見込むとともに、設計上では年間約3億円の建設費削減を試算している。
今後は、同様の接合方法でJIS構造用MDF仕様の耐力壁についても認定申請を勧めるほか、床勝ち仕様などのバリエーションを拡充するとともに、建設現場の施工合理化と品質の安定を目的に耐力壁の工場生産化(パネル化)を検討する方針だ。