大和ハウス工業は2月28日、富山県高岡市の産業団地「ICパーク高岡」内に開発していたマルチテナント型物流施設「DPL富山高岡」を竣工する。北陸エリアでは、21年5月に竣工した「DPL富山射水」(富山県射水市)に続き、2カ所目のマルチテナント型物流施設となる。
北陸自動車道「高岡砺波IC」から約1.2キロに位置する敷地2万9844.04平方メートルに、延べ1万6756.33平方メートルの平屋建てを建設。賃貸面積は1万6576.69平方メートルで最大3区画での入居が可能。EC物流に特化した物流業務の企画・設計・運営の全体を包括して請け負う3PL業者の塚本郵便逓送が3月1日から入居を予定している。
同市が22年3月に公表した「高岡市洪水ハザードマップ」の予想浸水高より床面を高く設定することで、BCP対策に対応したほか、空調や照明に省エネ設備を導入。一般的な物流倉庫と比べ、一次エネルギー消費量を50%以上削減できる「ZEB Ready」を達成したほか、「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」では最高の五つ星ランクを取得した。
新潟県や愛知県、岐阜県などへ短時間でアクセスできる立地から、中日本エリアをカバーする物流拠点としての機能や、「ICパーク高岡」内の工場で生産する商品の保管場所としての利用のほか、台風などによる水害被害も少ない都道府県のひとつであることから、他県へ災害用備蓄品などを配送する拠点にも適している。
コロナ禍による巣ごもり消費の拡大などから、北陸地方ではドラッグストアの出店数増加が進むと共に、商品を保管・流通加工できる物流施設の需要が堅調に推移。特に富山県は北陸自動車道や能越自動車道、東海北陸自動車道により北陸地方全域や東海地方へアクセスできる要所となり、「DPL富山射水」は竣工から8カ月で満床に至った。