一条工務店(東京都江東区、岩田直樹社長)が開発した「浸水試験システムで実証した水災から暮らしと財産を守る耐水害住宅」が今年度の「日本建築学会賞(技術)」(日本建築学会主催)を受賞した。住宅メーカーの技術賞受賞は、02年の創設以来、今回が初めて。
「耐水害住宅」は、床下・床上浸水の危険性がある箇所を「浸水」「逆流」「水没」「浮力」に分類し、建物本体のほか、サッシなどの開口部の水密性の向上や、水の浸入・逆流を防ぐ特殊弁の採用など、それぞれの対応策を施すことで、居住空間への影響の回避を図った住宅で、申し込み棟数は約2100棟(23年3月末時点)、22年末時点での建築実績は1300棟以上に上る。
約3000トンの水を使って豪雨を再現した大規模な浸水試験システムを構築し、開発技術の高度化と性能保証に役立てることで、実用化に至ったプロセスも含め高く評価された。