大和ハウス工業は5月11日、傘下のスタンレー・マーチン社(米国・バージニア州)を通じ、米国・ノースカロライナ州で土地開発や造成請け負うプレステージ社の全持分を取得し、同社を完全子会社化する契約を締結した。
プレステージ社は、2017年10月に創業以来、同州シャーロット都市圏を中心に事業を展開。盛土や公共設備の設置、道路の建設などのほか、用地取得から用途変更、許認可取得、区画整理、区画の売却などを手掛ける。23年12月期は523区画を引き渡したほか、年間の土地造成可能区画数は2300区画に上る。また、宅地や商業地など開発予定地約8050区画を確保している。
同都市圏は全米有数の金融都市であるほか、戸建て住宅許可件数が全米7位に上り、雇用・人口とも成長しており、米国北東部からの人口流入などからも今後の堅調な住宅需要が見込まれる一方、地方自治体の制限的な政策により、宅地が不足している。
大和ハウスグループは、26年度が最終年度の「第7次中期経営計画」で、25の国と地域で展開している海外事業では、売上高1兆円・営業利益1000億円を目標に掲げており、米国では売上高7300億円、更に戸建住宅では、大和ハウスグループ3社(スタンレー・マーチン社、キャッスルロック社、トゥルーマーク社)の引き渡し戸数1万戸への拡大を目指している。今回の買収によって、米国東部での戸建住宅事業のさらなる拡大を図る。