コリアーズ・インターナショナル(東京都千代田区)は、東京主要5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷の5区)のグレートAオフィスビルを対象とした賃貸オフィス市況と今後の見通しを分析した「東京オフィスマーケットレポート/2024年第2四半期(4月~6月)」をまとめた。
同社では、グレードAオフィスビルを基準階面積がおおむね300坪以上の主に賃貸される物件の中から同社独自の基準で選定し、分析している。
同レポートによると、新規供給量が前期(2024年1月から3月期)よりもやや減少して1万8000坪となった。一方で、需要指標となるネットアブソープション(期初空室面積プラス期中新規供給面積マイナス期末空室面積)は8000坪でプラス圏を維持したものの、新規供給量の半分に満たず、前期に続く需要の拡大は見られなかった。
竣工後も募集を続けるなど空室を多く残して竣工した新築物件があるが、比較的に賃料が割安な既存物件の空室の消化が進み、空室率はおおむね横ばいとなった。また、賃料水準は、新築物件の高額募集が続き、前期に続いて4半期連続で上昇が続いているという。
2024年通年の新規供給は9万坪を想定している。また、新規の需要は企業の旺盛な床需要によって新規供給を上回る11万坪を見込んでいる。好調な企業収益に支えられ、人員増加や事業拡大を要因とした移転需要が市場を支えている。
人手不足が続く中、人材獲得を有利に進めるための手段として、オフィス環境や立地の改善を目的とした移転に更なる注目が集まると分析している。