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大和ハ 東北初の「敷地売却制度」活用で築49年ビル建替えへ

 大和ハウス工業は10月30日、仙台市青葉区の「カルコスビル」(1975年竣工、総戸数50戸)の敷地売却事業における買受人として、カルコスビルマンション敷地売却組合(須藤圭一理事長)から同物件を引き受けた。

 東北地方で初めてマンション建替え法に基づく「敷地売却制度」を活用した事業。同制度は、耐震性不足などにより特定要除却認定を受けた分譲マンションの区分所有者が、マンション敷地売却組合を設立し、買受人に当たるディベロッパーなどの事業者へ建物と敷地を売却し、買受人がマンションを除却するもの。

 同社は23年2月に同ビル管理組合より事業協力者(買受人候補者)に選定。同5月に仙台市から買受計画も認定を受け、11月のマンション敷地売却組合を設立。このほど、分配金取得計画の認可を経て、引き渡しが完了した。なお、23年8月には、買受人が柔軟な対応を試みる点などが評価され、国土交通省の「マンションストック長寿命化等モデル事業 先導的再生モデルタイプ(建替工事支援)」に採択された。

 「カルコスビル」は、仙台市営地下鉄南北線北四番丁駅から徒歩1分に立地。住宅・店舗・飲食店・オフィス・クリニックなどで構成しており、長期間、多様な用途で利用されたが、2011年の東日本大震災以降、建物の老朽化や耐震性への不安、外壁の剥落などの課題が顕在化しており、18年から同ビルの管理組合が修繕・建て替え・敷地売却を念頭に検討を重ねていた。

 今後は、12月に解体工事に着手し、25年にマンション建築工事を着工し、28年の竣工、引き渡しを計画している。