旭化成不動産レジデンスはこのほど、東京都港区麻布台で進めてきた「飯倉三生マンション」のマンション建て替え事業「アトラス麻布台」(総戸数34戸、事業協力者取得住戸は17戸)を10月に竣工したと発表した。
従前の「飯倉三生マンション」(総戸数18戸)は1971年に竣工した、72.28~152.63平方メートルの2LDK、3LDKからなる7階建ての集合住宅。築後50年が経過し、構造躯体へのひびや爆裂などによる耐震性の問題に加え、雨水の侵入、漏水などの排水設備の不具合といった物理的な劣化のほか、防火区画の未整備、二方向避難動線の未確保、遮音性の低さといった、安全性や快適性の面でも様々な課題を抱えており、2015年に建物調査・診断を実施。その結果、これらの改修には多額の費用が掛かると判明。更に、耐震基準への適応には、住戸開口部が耐力壁などで一部が遮られることなどから、実質的には耐震補強などの改修は困難な状況だったことから、建て替えの結論に至り、21年8月に要除却認定を受け、同11月には容積率特例許可を取得。22年1月に建替組合を設立し、22年8月に解体工事、翌23年5月に本体工事に着工した。
「アトラス麻布台」は、都営大江戸線麻布十番駅から徒歩6分、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線六本木駅から徒歩11分に所在する敷地523.65平方メートルに76.09~88.67平方メートルの2LDKからなる延べ4488.19平方メートルの地上17階地下2階建て(現在は完売)。
一般的に小規模マンションは容積率などから従前より大きな建物を建てづらく保留床の確保が困難なケースが多く、また、戸数が少ないことから建て替えに必要な合意割合に達することが難しいとされる中、同事業は、容積率緩和規定を適用すると共に、強みの合意形成力を生かし、細やかなフォローで建て替え決議の成立に至った。




