大阪市立桜宮高校におけるバスケ部顧問の『体罰』による生徒の自殺を受け、文部科学省が調査すると、名門競走部の監督による暴力など、全国各地で指導という名のもと教師の暴力が行われていた。
▼子供たちは可哀相だ。小さいうちは、幼稚園などに居ても声がうるさいと周囲から言われ、学校に進めば、いじめ、体罰、などが待ち構えている。いったいこの国はどこまで、いじめ大国なのか。
▼そうした中、女子柔道日本代表監督が五輪代表選手などに暴力行為、暴言、パワハラを行っていることも判明した。「中高などで行われている体罰が、ついにトップ選手にまで広がった」という声もあるが、実態は、「トップレベルのエリート選手ほど不法行為を経験しやすい」。コーチやチームメイト間の不法行為を防止するための米のプログラムではそう位置づけ、選手やコーチ、親などに啓発活動をし、実際のトラブルもスピーディーに解決するという。
▼小児虐待は、被害者が大人になると加害者になると言われるが、スポーツの分野の「虐待」も同じ負の連鎖だということが分かった。そして、これは指導者を支持している親も同様である。そこに「愛のムチ」などという言葉を使うのは、虐待隠し以外の何物でもない。しかもこれはスポーツの世界だけでも、学校だけでもない。どの組織でも起こっていることなのだ。