不動産取引現場での意外な誤解 記事一覧
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不動産取引現場での意外な誤解 売買編230 遺言による贈与(遺贈)には対抗要件が必要?
Q.前々回〔売買編228回〕、遺言書に「相続させる」と記載がある場合には、その結果取得することとなる権利については、それを第三者に対抗するための「登記」は必要ないとありました(最高裁判例)。これはどういうこ(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編229 「遺言」は法律の規定に優先するのか?
Q.前回、遺言書に「相続させる」という記載がある場合、それは「遺産分割方法の指定」だから、原則としてそれと異なる遺産分割協議はできないと書いてありました(最高裁判例)。しかし、遺言で「相続分の指定」をした(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編228 「相続させる」という遺言書の意味は?
Q.前回、所有権の「2号仮登記」後に新たに所有権を取得した登記名義人は、その仮登記が「本登記」されることによって、その権利が抹消されるとありました。 A.その通りです(不登法109条(2))。ただし、所有権が「(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編227 「仮登記」は登記済証(識別情報)なしでできる?
Q.2号仮登記がされた物件がいわゆる「地上げ物件」として市場に出回る理由の1つに仮登記が簡単にできることを挙げる声もありますが、本当でしょうか。 A.本当です。「仮登記」を申請する場合の登記免許税が安いの(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編226 「2号仮登記」付物件を売買する際の注意点は?
Q.前回は、不動産登記法105条2号のいわゆる「2号仮登記」が2種類ある(請求権2号仮登記と条件付2号仮登記)ことや、その基本的な違いを聞きました。 A.前者は、将来権利変動を生じさせる「請求権」が生じた場合にそ(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編225 仮登記、保全仮登記とはどういうものか?
Q.前回、抵当権の「保全仮登記」という用語が出てきましたが、これは一般に使われている抵当権の「仮登記」と同じものなのでしょうか。 A.基本的には同じものです。抵当権の設定は、一般に債務者が所有する不動産(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編224 仮差押、仮処分の登記後でも売却は可能か?
Q.前回は、仮差押と仮処分の違いに触れましたが、両者の共通点は、いずれも債務者の物件の売却などによって債権者の権利行使ができなくなることを事前に防止するための保全措置ということでした。しかし、このような(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編223 「仮差押」と「仮処分」の違いは何か?
Q.前回の「差押え」の登記と似たような登記で、「仮差押」と「仮処分」の登記があります。この両者の違いは、どのような点にあるのでしょうか。 A.まず「仮差押」の登記ですが、たとえば抵当権の登記がされている(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編222 「差押え」の登記があっても売買はできるか?
Q.「差押え」の登記がある物件でも売買することができることは「売買編215回」でも聞きました。もう少し詳しく知りたいのですが。 A.「差押え」の登記がされるということは、すでに裁判所の競売開始決定が下りて(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編221 譲渡担保と売渡担保は同じものか?
Q.不動産登記には、同じような登記があるために、その違いがよく分からないまま取引に入ってしまうことがあります。その1つの例が「譲渡担保」と「売渡担保」の違いですが、両者はどう違うのでしょうか。 A.この(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編220 「賃貸人たる地位の移転」と似て非なる規定は?
Q.前回の短期賃貸借の規定(民法602条)の改正のような、一般にはあまり知られていない規定の改正はほかにもあるのでしょうか。 A.あると思います。たとえば、民法539条の2の「契約上の地位の移転」という見出しの(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編219 短期賃貸借の規定はどう改正された?
Q.賃貸編214回(8月20日号)には、共有物件を賃貸する場合、短期賃貸借の期間(土地5年、建物3年)を超えるときは共有物の「変更」になり、共有者全員の同意が必要になる(民法251条)とありました。しかし、短期賃貸借の(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編218 賃貸物件を譲渡担保で所有権移転登記したら?
Q.このところ、貸主の破産の話が続いていますが、実際に貸主が破産した場合、中には債権者が「譲渡担保」によって、賃貸物件の所有権を既に取得しているといったケースもあるのではないでしょうか。そのような場合、(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編217 貸主が破産し賃貸物件が競売されたら借主は?
Q.前回の連載では、「貸主が破産し、その破産管財人が貸主の保有資産である賃貸物件を換金する際には、『競売』を選択することもある」ということでしたが、換金の方法として「競売」を選択するかどうかは本来、債権(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編216 貸主の破産宣告に対する借主の対抗策は?
Q.前回の連載では、「貸主が破産したことによって、その破産管財人が借主との賃貸借契約を解除したいと思った場合であっても、借主が賃料を支払っている限り、借主との賃貸借契約は解除できない」ということでした。(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編215 賃貸ビルの契約当事者が倒産したらどうなる?
Q.商業ビルの賃貸借契約などにおいては、借主が手形の不渡りで支払停止になったり、差押えを受けた場合には、貸主は直ちに契約を解除できるという特約をすることがありますが、これらの特約は果して有効なのでしょう(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編214 共有の賃貸物件の賃料が「不可分債権」とは?
Q.以前、共有の賃貸物件の賃料請求は、その契約や共有者間で特段の定めをしていない限り、共有者それぞれが持分に応じた賃料を請求できるとありました。 A.それは元々、賃料債権のような金銭債権は分割のできる債(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編212 敷金、礼金等に関するトラブル防止法は?
Q.建物賃貸借契約においては、敷引き以外にも、敷金の償却や礼金の問題でトラブルになることがあります。こういったトラブルを防止する方法はあるのでしょうか。 A.あります。それは、それらの金銭のもつ意味や償(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編211 敷引特約でどの程度まで控除できるか?
Q.4月23日号本欄(賃貸借編・第210回)に更新料特約の有効性に関する最高裁の判断がありましたが、その内容は、更新料の額が「高額に過ぎる」などの特段の事情がない限り、消費者契約法10条後段の「信義則に反して消費(続く) -
不動産取引現場での意外な誤解 売買編220 買戻特約付の分譲は民間の会社でも行われる?
Q.かつては、公的な団体が分譲する物件には「買戻特約」の登記が条件付けられていましたが、最近はどうなのでしょうか。 A.実状はよくわかりませんが、そのような登記は何も公的な団体が行う分譲物件に限らず、民(続く)