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大言小語 〝異例〟な天候

 今年の冬は「寒い」の一言につきる。年越しまで着ないこともあるコートを、今年は既にフル装備で着ている。これ以上寒くなったらどう対処するか。そんな日本列島を台風並みに発達した低気圧が襲った。国土交通省はその前に、徳島県などで降った雪への対応として対策本部を9日に立ち上げていた。その名は「異例の降雪に対する対策本部」。

 ▼今年の8月の広島市安佐南区の土砂災害後、国交省は既に、「新たなステージに対応した防災・減災のあり方に関する懇談会」も立ち上げており、そのネーミングからも異常気象が普通に起きていることを再認識させられる。

 ▼冒頭に「台風並み」と書いたが、今回の低気圧は台風以上といってもいい。台風並みとしては、天気予報を見ている人にとって軽く受け取られるのではないか。気象庁によれば、台風は「北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のもの」と定義されるので、今回のような北西太平洋以外で発生した低気圧には該当しないから、使えないという。

 ▼定義の大切さは分かるが、被害が起きるということを伝えることが最も大切だ。「爆弾型低気圧」も、それほど人口に膾炙(かいしゃ)しているとはいえない。常態化する、新たなステージの災害にふさわしい呼び名も考え、避難につなげるべきだ。