コロナに翻弄されて丸1年が経った。東京五輪の聖火リレー開始と共に、開花の知らせが続いている。自宅近くの大きな公園を夜桜見物に散歩した。都内の名所に挙げられるだけあって、大きな桜の木々は満開で見事に咲き誇っていた。
▼スポーツ施設を併設するこの公園は、夜間もナイター照明が桜を美しく照らし出してくれる。そのため、昼夜を問わずたくさんの宴会でごった返す。コロナ禍で宴会が禁止された今年は、人影もまばら。静かな園内で桜を独り占めしたようないつもと違った味わいがあった。
▼公園を取り巻く幹線道路にも長い桜並木が続いている。遠くから公園を目指して長い距離を散歩してくる人も多い。この桜並木のほとんどが約半世紀前の東京五輪当時、道路整備に合わせて植えられた桜たちで、老木化が深刻だ。この公園が立地する区では、枝折れや倒木の危険がある老木を「不健全樹木」として指定し伐採を行っている。この桜並木の木々も伐採が続いており、代わりに植えられた桜は2、3年経てば、見応えのある木々に成長していく。
▼老木となった桜が毎年伐採されていくのを見るにつけ、残念というよりふびんに感じる。伐採の時期が例年、開花の1、2カ月前であることが多いからだ。あと1、2カ月待てば最後の花を咲かせてくれて、長年慣れ親しんだ桜の最期を美しい姿でみとることができたのにと思う。