日鉄興和不動産は6月30日、東京都港区南麻布で外国人向け高級賃貸住宅「ホーマットシャロン」を竣工した。同社として、05年に赤坂で竣工した「赤坂インターシティ/ホーマットバイカウント」以来、16年ぶりの外国人向け賃貸住宅「ホーマット」プロジェクトとなる。
同社は65年に外国人向け高級賃貸住宅事業を開始。現在は麻布・広尾および赤坂エリアにおいて9棟を保有し、約300室を管理・運営している。今回の「ホーマットシャロン」は、84年に竣工した同名物件の敷地に約2780m2の隣接地を加え、約6085m2の敷地に地上6階地下1階建ての賃貸住宅を建設したもの。低層の「ホーマット」としては34年ぶりの供給となる。また、これまでで最大規模の開発であり、同社は外国人向け高級賃貸住宅の旗艦物件と位置付けている。
立地は東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩9分で、フランスおよびドイツの大使館やEU代表部など、各国の政府機関が点在するエリア。総戸数は55戸で、欧米の生活習慣に合わせて住戸専有面積は155.08~303.35m2、平均210m2の広さを確保し、4ベッドルームの大型の間取りを中心とした。更に、来客対応などを行う「パブリックゾーン」と家族で過ごす「プライベートゾーン」を分離する間取り構成を商品企画上の原則としている。
高級賃貸住宅として、共用部の仕様にも力を入れた。建物外観や外構等に和の要素を取り入れたほか、暖炉を備えたラウンジ、空中庭園などを設置。また複数言語対応のコンシェルジュが常駐し、日本に不慣れな外国人の生活をサポートする。
同社は近年、外国人向けのほか、日本人の高所得者向け高級賃貸住宅の開発・供給も行っている。今回の旗艦物件をはじめ、外国人向け高級賃貸住宅で培った知見を生かし、高付加価値な賃貸住宅の提供を推進していく方針だ。