住宅金融普及協会は10月、住宅事業者を対象に戸建て住宅の設備や仕様に関するアンケート調査の結果を取りまとめた。同調査の対象は同協会が発行している「住まいの管理手帳(戸建て編)」の購入者206社で、うち回答者は55社。対象住宅は20年度に供給した戸建ての注文・分譲住宅が対象。調査期間は5月~7月。
同調査では、新型コロナ感染予防対策への取り組みとして、玄関に手洗いやクローゼット設置、在宅勤務スペース、宅配ボックスに関して尋ねている。住宅事業者による設置状況の回答集計は以下の通り。
【玄関に手洗い設備】=一部の住宅に設置(71%)、設置等はない(29%)。
【玄関にクローゼット】=すべての住宅に設置(7%)、一部の住宅に設置(89%)、玄関クローゼットはない(4%)。
【在宅勤務スペース】=すべての住宅に設置(2%)、一部の住宅に設置(84%)、設置はない(14%)。
【宅配ボックス】=すべての住宅に設置(7%)、一部の住宅に設置(75%)、設置はない(18%)。
調査を担当した事業本部事業課の青木稔専門役は「玄関に手洗い設備を設けるには配管が必要になる。簡単にできる印象はなかった。一部の住宅に設置とはいえ、7割あるのは意外」と説明する。宅配ボックスの普及ぶりも想定以上という。
また、高機能な換気設備の設置(複数回答)では、換気の際に室内の暖かさや涼しさを再利用できる熱交換型換気設備の設置が20社に上り、青木専門役は「(予想よりも)少し多い印象がある」と指摘した。
同協会は今年、70周年を迎えており、同調査は記念企画の一つだ。「住まいの管理手帳(戸建て編)」は日常の手入れや各部位の清掃、点検・補修のポイントについてまとめたもの。今後の改定では今回の調査結果を生かしていく考え。