マンション・開発・経営

サンフロンティア不G 新たなホテルと地域創生事業 差別化戦略で勝算

 サンフロンティア不動産は2月8日、グループ会社によるホテル事業および佐渡島における地域創生事業において、それぞれ新たに開設する施設とその詳細を発表した。コロナ下における観光関連施設の新設となるものの、高付加価値化や地域資源の活用による差別化で採算性を見込むと共に、将来的な発展性も見据えた計画と位置付ける。

 サンフロンティアホテルマネジメント(東京都千代田区)は6月、京都府京都市でリゾートホテル「四条河原町温泉」の「空庭テラス京都」(総客室数102室)と「別邸鴨川」(同32室)を開業する。建物は地上9階地下1階建ての1棟で、屋内に仕切りを設けて別コンセプトの宿泊施設を個別に営業する形態。両施設とも、2月9日に予約受け付けを開始した。

 立地は阪急電鉄京都河原町駅から徒歩1分。「空庭テラス京都」は比較的コンパクトで廉価な設定とし、「別邸鴨川」は仕様・サービス共に高水準な高価格帯ホテルとして幅広いニーズに応える。

 新潟県佐渡市(佐渡島)で地域創生事業を手掛けるサンフロンティア佐渡は、3月19日にアクティビティ拠点「佐渡アウトドアベース」を開業する。物流倉庫をコンバージョンした施設で、自転車やアウトドア用品のレンタルを軸に体験型観光を後押しする。

 ターゲットとして、当面は国内の観光やワーケーション需要を想定。将来的なインバウンド需要の回復も見据えつつ、地域活性化による産業の創出・成長を促進して、持続的な地域づくり・観光体制づくりを目指す。

持続可能な社会目指す

 サンフロンティア不動産の堀口智顕会長は2月8日に開いた新事業発表会で、同社グループの「〝持続可能な社会の実現〟へ向け、各分野の事業を有機的に連携させる」というビジョンを紹介。ホテル開発や観光、地域創生の各事業を、単独の収益性だけでなく、グループ方針の具体化や他事業の成長性に貢献するものと位置付ける。

 その上で、堀口会長自身が佐渡市出身で「思い入れがある」とし、「まずは佐渡での成功に注力し、その知見をほかの地域に広げていきたい」と熱を込めて語った。

 コロナ下での開業となったことについては、「長期スパンの事業のため、やむを得なかった部分はある」と率直に述べつつ、「その中でどう差別化するかが重要。特に新ホテルはそのためのクオリティ追求であり、収益的に勝算を見込めるサービス・品質と考えている」と自信を見せた。