例年であれば、正月気分が抜けたとか、その類いの話しになるのだが、今年は正月気分など持つ余裕はなかっただろう。能登半島地震と、羽田空港の飛行機衝突事故が1月1日、2日と立て続けに発生したからだ。
▼1月に発生した大きな地震と言えば、1995年の阪神・淡路大震災だろう。この地震を契機に建築基準法が見直され、新耐震基準から更に耐震性が強化された。通称「2000年基準」と言われているが、今世紀に入ってから建てられた建築物は地震に対して、より強固な構造となっている。
▼今年の干支にちなんだ相場の格言は「辰巳(たつみ)天井」。株式相場は上昇基調の強い相場を予想し、日経平均もバブル最高値の3万8915円を試す展開を予想する強気の見方もある。ただ、スタートとなる大発会は地震の影響もあり、一時700円を超える大幅な下げを記録した。「辰巳天井」は、思わぬ波乱の幕開けとなった。
▼昨年は、日本経済の弱さを実感した年になった。一方で、好材料となったインバウンドの強さや半導体大手による投資などによる地価上昇は、その裏返しだ。今回の能登半島地震では、津波から冷静に避難する住民の映像を見た。津波による甚大な被害があった東日本大震災の教訓が生かされている。
▼年始の大きな災害や事故を奇貨に、より強い住宅・不動産業界になっていくことを願いたい。