社説「住宅新報の提言」

06年度宅建試験、受験者の声

 受験者1万2,000人が増え、競争激化する宅建試験。受験者の声は一様に簡単。

 宅建業法をはじめ、全体的には比較的簡単。感触も良かった」と笑顔を見せるのは、2度目の受験に臨んだ東京都練馬区の60代の男性会社員だ。今年度は独学での学習に加えて、業者の予想模擬試験を7回受験し、準備を重ねてきたという。現在は、不動産業とは関連のない会社に勤めているが、「将来の道の1つとして試してみたかった」。今年は、マンション管理士、管理業務主任者も受験する。「ずばり、トリプル合格を狙いたい」

 東京都江戸川区の男性会社員(34)は、「宅建業法の簡単さが際立った」と話す。「民法も最初の1、2問が見たことのなかった問題だったが、後はオーソドックスな設問だった」と、初受験ながら余裕の表情を見せる。3カ月ほど、「集中して」学習。既に社会保険労務士の資格を取得しており、今後は行政書士も目指している。将来は「独立」も選択肢の1つとして、勉強を続けたいという。

 試験終了後に行った住宅新報・出口調査でも、宅建業法については、ほとんどの受験生が「普通」もしくは「やや易しい」と回答している。

 東京都江戸川区の男性アルバイト(60歳代)も初の受験。「宅建業法分野を集中的に勉強したので、意外にやさしかった」と表情を和らげる。「合格後には、不動産会社に就きたい」と力を込める。

 また、「私は宅建業法から解くスタイル」という東京都の女性は、友人と共に受験。「宅建業法は、比較的ストレートな問題が多かった。予想通りの出来だと思う」と自信を見せる。

【今週の視点】
 当社の講師陣の分析では、出題レベルは「権利関係、法令上の制限、宅建業法の主要3分野とも前年に比べてやさしかった」との指摘がほとんどで、合格点は前年の33点を上回り、35問前後が合格ラインとなる見方が有力だ。