インターネット特集

SNS活用のネット戦略 〜集客でなく成約を考える〜(3/3)

■ 個人として参加する「勇気」はあるか

情報の導線をどう描くかという点もSNS利用には欠かせない。

「ITの専門家などは『フェイスブックをやるようになってからブログの重要性が増した』と言っている。情報はブログにまとめておき、それをフェイスブックやツイッターに連動させる。ブログはいわば情報の母艦となっている。フェイスブックやツイッターだけ回していても、情報は完結しない」

漠然とSNSに参加したからと言って、ビジネスの成約率が上がったり、新規ビジネスがどんどん生まれるわけではない。
問われるのは「SNSに個人として参加する勇気」なのだと飯野氏はいう。
「経営者のなかにはそういう人もいるが、社員のなかにそういう勇気がある人は少ないのではないか」

フェイスブック自体も、ここにきてトップページに電話番号を出すことを禁じたり、「いいね!」ボタンを出さないようにするなど、マーケティングに傾きすぎた利用をけん制する動きがある。

「もともと個人と個人が繋がるためのツール。その原点に帰ろうという動きが出てきた」(飯野氏)

■ 成約に至る反響を考える

お金をかけずに集客ができる――。そういうツールとしての認識がネットにはあった。だが問題は、「集客できても成約につながっていかない」ことだ。アクセス数は増えたのに成約はゼロという話はザラだ。

それは、顧客に何をしてもらいたいかが不明確だからだ。

飯野氏は「SNSに限らず、ネットを効果的に使うためには、『集客→反響→成約』という流れではなく、『成約→反響→集客』でネット戦略を考えるべき」という。

成約を上げるために、どんな反響を期待しているのか。その反響を得るために、どんな集客方法をとるのか。そしてその集客となるターゲットはどんな属性をもった人たちなのかが、明確でない限り、ホームページもブログもSNSも無駄なツールとなってしまう。

さらに言えば、そういったツールで魅力が発信できない企業は、リアルな仕事においても、集客も成約も難しい。

SNSの利用を考える前に、まず、仕事が楽しいかを問い直す。その楽しさを見つけ出すことからはじめても遅くはないだろう。(終わり)

(フリーライター 佐藤 聡)

■ 更新の手間いらず
潜在需要に応える物件サイト マンションリサーチ

「あの湾岸エリアにある人気マンションにいつか住みたい」

「あの会社が手掛けるブランドマンションなら場所は問わない」

住まい、とくにマンションは戸建てに比べてユーザーの意向が反映しにくい物件。それだけにブランドや場所にこだわる人も多い。

気に入った物件なら、2年でも3年でも、その時を待つ人は少なくない。しかしながら、現状の物件サイトはこうした「潜在需要」に応えては来なかった。売り物件が市場に出た段階ではじめてネット上に表示される仕組みだったからだ。

こうした「いつかは欲しい」という需要に応えるのがマンションリサーチ(株)が手掛ける「牛丼マンションカタログサイト」の制作運営サービスである。

マンションリサーチが手掛ける「牛丼マンションカタログサイト」

(写真)マンションリサーチが手掛ける「牛丼マンションカタログサイト」

「従来のマンションサイトでは、売り物件が出た時に掲載されますが、このサイトでは、すでに分譲されたマンションの情報を販売の有無にかかわらず掲載します。したがっていま売りだされてなくても、お客様の「このマンションのこういう部屋が出たら教えてほしい」という問い合わせに応えることができるのです。(代表取締役 山田敏碁氏)

ちなみに牛丼は有名チェーンの『早い』『安い』『うまい』から取ったという。

マンションの名称から、階数、戸数、分譲会社、施工会社などを売り出し当時の情報がカタログ的に常に表示されるため、検索にもひっかかりやすくなり、また特化した物件を集めることで、独自ブランドを立てやすくなる。

「物件を探される方は従来SEO対策でなされてきた『地域名+不動産』や『駅名+マンション』という検索よりも、より具体的に特定のマンション名で検索、もしくは『特定のマンション名+売却』などより絞り込んだキーサードで探す方が多い。沿線・駅が同一、駅から近い、築年数が新しいなどのテーマに沿って掲載マンションを選別したサイトをつくるとすれば、差別化やブランド化ができると思います。(山田氏)

こうしたサービスでは、テンプレートと言われるひな型からデザインを選ぶケースが多いが、この牛丼マンションカタログサイトサービスは、デザインも個別につくり込むことができる。

何よりうれしいのは、いったん作れば、ほぼメンテナンスフリーとなることだ。物件を掲載したり、外したりする手間暇がかからない。

「すでに大手の不動産会社さんなどでは、こうした既存マンションのカタログサイトを作っていますが、中小の不動産会社さんでは時間やマンパワーの問題があり難しかったと思います。こういったサイトを作りたいが、時間も人手も掛けられないという方、サイト運営で独自ブランドを作っていきたいという方に利用していただきたい」

インターネット特集 SNS活用のネット戦略 〜集客でなく成約を考える〜はこれで終わりです。ありがとうございました。