注目のマンション

注目のマンション 第1回 大東建託「ジグゼ湘南平塚」

 賃貸大手の大東建託が分譲マンション事業に初参入した。そのコンセプト「アジャストマンション」に、早くも業界の関心が集まっている。

 アジャストマンションとは、「目的に合わせて調整する」という意味通り、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、住まいの形を変化させることができるマンションのこと。

 例えば専有面積110㎡メートルの部屋では、60㎡メートルの2LDKがメインスペースで、その両側に25㎡メートル・1Kの「アジャストスペース」が設けられる。

 このスペースは全て風呂・トイレ付の「賃貸用住戸」であり、他人に貸すことができる。つまり、賃貸併用住宅のマンション版と言えば分かりやすいだろうか。

 夫婦2人ならメーンスペースだけで十分だから、アジャストスペースは2戸とも賃貸に回す、子供が出来たらそのうち1戸を自己使用として子供部屋に、といったフレキシブルな使い方ができるというわけだ。ただし、用途を変更する際のリフォームは有償となる。

 しかし、賃貸経営にはリスクがつきもの。そこで賃貸大手・大東建託の強みが出る。賃貸に回した部屋については大東建託が35年一括借上げをし、万一空室でも家賃滞納や相場の下落があっても安心感がある。入居者対応も全てお任せできるからオーナーは賃貸経営に煩わされることはない。賃貸収入で住宅ローンの早期完済を目指すこともできる。

 「ジグゼ湘南平塚」は、JR東海道線「平塚」駅から徒歩6分。神奈川県平塚市宮の前2番、地上13階地下1階建てで総戸数47戸。設計・大東建託、施工・大東建設、管理・大東建物管理(賃貸管理専門の会社であるため、最初の1、2年は大手マンション管理会社と共同で管理を行う)。竣工は平成26年10月下旬予定。平塚に続いて荒川区町屋、千葉県八千代市でも同タイプのマンションが着工を控えている。

 今後、子供が巣立って使わない部屋ができた、介護のため母親を呼び寄せたい、といった家族の「現実」に対応し、なおかつ金銭的なメリットも多いこのシステム。住まいにも合理性を求める人にはピッタリのマンションだ。