【取材協力】
株式会社 JON 取締役営業本部長
眞木 仁(さなぎ じん)氏
株式会社 JON
行政情報を有効活用することの社会的気運が高まるなか、各種データベースの汎用型候補キーとなり得る「所在地番」および「住所」の全国レベルにおける調査体制を確立したほか、不動産登記にかかる高度かつクリーンな分析を可能とする「登記基本情報データベース」の開発に成功するなど、数々のユニークな実績を生み出している。
これらの成果が諸方面に導入されることで、不動産にかかる権利の明確化や取引の安全はもちろんのこと、社会生活における様々な利便や安心につながるものと確信し、さらに新たな事業・サービスの提供に努めている。
<第6回>ビジネス上の優位性
「積極的な活用を期待」
登記情報の活用による不動産ビジネスのすそ野の拡大。効率的な営業活動のためのツールとしてはもちろん、「情報を読み解く」ことで営業提案の幅や説得力が大きく増すことになる。今回の特別企画で取材に応じてくれたJON取締役営業本部長の眞木仁氏に、改めて登記情報をビジネスに活用する優位性について話を聞いた。
―登記情報を仕事に生かす不動産業者が増えているようです。「当社のデータを使っていただいている顧客は約700店舗。年々一定割合で順調に増えている状況です。それまで会社で登記情報を使って営業していた人で、独立の際に申し込むケースも目立っています。我々としても、『売り物件獲得』を目的としたダイレクトメールを送るためだけにデータを利用してもらうのではなく、営業展開の根拠になる活用方法があるということを積極的に伝えなければならないと思っています。」
―具体的にはどのようなことを。「登記情報を活用することで、効率的で説得力
のある提案ができる」と語る、眞木仁氏
「登記情報に記載されている『原因』などから、そのエリアの特性やビジネスチャンスの期待度を推し測ることが可能です。調べたいエリアや範囲も自在に設定できます。顧客に対し、『あなたが希望するエリアはこのような状況です』という客観的情報を見せて、『だから高い価格を設定できる、また、ある程度急がないといけない』といったことを説得力のある形で提供できます。今の時代、エンドユーザーもそれくらいの提案がないと納得してくれないのではないかと思います。」
―国土交通省や公的機関が出しているデータもあります。「土地情報ライブラリーをはじめ、そのようなデータは確かに存在します。ただ、それらは『統計』に過ぎません。全体的なトレンドの把握であればそれで足りるのですが、特定エリアのトレンドを測るには不十分といえます。その点が登記情報との最大の違いです。」
―不動産業者が使いこなせるでしょうか。「『読み解く』といった利用のためにはある程度の期間は必要ですが、そのサポートは当社でしっかり対応させていただきます。また、まずはダイレクトメール発送のための効率的な営業のために使っていただくことでも十分な利用価値はあります。そのようなことをしている不動産業者自体がまだまだ少数派。ぜひ差別化を図っていただきたいと思っております。」
「不動産営業の王道は、人と人との良好な関係を築き、そのつながりの中で仕事をもらうことだと思います。その流れは今後も変わらないでしょう。ただ、効率的で説得力のある提案ができれば、仕事をもらえる確率はグンと高まります。登記情報をうまく活用することで、ぜひそれを実感していただきたいです。」