フロンティアマーケット(東京都台東区、諏訪兼久代表取締役社長)は宅地建物取引士試験用の受験アプリ「耳勉」を発売、受験生からの好評を得ている。
「耳勉」は暗記に特化したスマートフォン用のアプリ。勉強時間がなかなか確保できない社会人でも、効率よく暗記できるように工夫されている。
その方法はこうだ。まず、聴きづらいノイズ付きの音源(暗記項目)を聴く。わざとノイズを入れることで、聴くことに集中できる。
「例えば、喫茶店の隣のテーブルの会話が気になって耳に入ってしまうことありませんか。いわゆる『耳がダンボ』状態となり、興味のある話はスムーズに頭に入っていきます。東大合格者の調査でも、個室で勉強している子供より、キッチンのテーブルで勉強している子供の方が合格者に多い。これを活用しています」(諏訪社長)。
なお、ノイズといっても、車の騒音などではなく、同じ法令、例えば権利関係の音源なら、他項目の民法分野の音源を重ね合わせている。こうすることで、ノイズ自体も体で学び取ることができる。
次に聴きやすいBGM付き音源を聴き、活性化した脳をリラックスさせながら覚えてゆく。
暗記したといっても、一瞬で忘れてしまったら何にもならない。毎回出題が変わる穴埋め式の確認テストで記憶を定着していく。ここが、紙の問題集とは違い、アプリの優れている所。穴埋めの個所をランダムに変えることで、暗記項目がしっかり記憶化される。
また、試験本番でもアプリは威力を発揮する。ノイズが他の法令から構成されているので、自分では覚えて居ないようでも潜在意識の中に蓄積されているため、問題を見て迷ったときでも、無意識領域が動き、正解を導き出せるという。
諏訪社長は、元々、英語が話せるようになるスピードラーニングの開発に携わっていた。語学だけでなく、何か他に応用できないかと考え、資格試験に不可欠な暗記の手伝いがしたいということで、今回、宅地建物取引士向けのアプリを開発した。
iOS、Android双方に対応。「無償版」(権利関係/制限行為能力・意思表示・代理)をまず試してみて、効果があると分かれば、「有償版」(14,800円・税込み)をダウンロードするとよいだろう。ちなみに、無償版でも8音源、確認テスト50問あるので、50の知識が覚えられる。
「今後は看護師試験や社会福祉士試験といった分野にもチャレンジしたいと思っていますし、スポーツ選手の第2キャリアのサポートなどにも携わりたい」と語る同社長。宅建士合格に欠かせない「暗記」を克服できれば、合格はすぐそこにある。