虎ノ門ヒルズムービー2023|WELCOME TO TORANOMON HILLS
「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が今秋開業
森ビルは、2023年秋に2つの「ヒルズ」を開業する。一つは「麻布台ヒルズ」、もう一つは「虎ノ門ヒルズ」。2014年の虎ノ門ヒルズ 森タワー開業以降、国際新都心・グローバルビジネスセンターの形成を目指し段階的に進化してきた「虎ノ門ヒルズ」は、駅と街を一体的に開発する「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(以下、ステーションタワー)が今秋開業することで、「一つの街・ヒルズ」として完成する。ステーションタワーの高層階には、世界に向けてビジネス、音楽、アートなど既存の枠にとらわれない情報を発信する拠点「TOKYO NODE(トウキョウ・ノード)」を設ける。開発のキーコンセプトとして世界への情報発信を標榜する例はほとんどなく、経済的な合理性からも賃料が高い高層階に設置するのは異例だ。情報発信のための拠点が「街として必要な機能」と判断したのは、これからの都市づくりを見据えた同社の挑戦が背景にある。
ステーションタワーの最上階に誕生する「TOKYO NODE」(イメージ) ©DBOX for Mori Building co.Ltd.
高層階での拠点整備で場に独自性
「虎ノ門ヒルズ」は、14年竣工の「森タワー」、20年竣工の「ビジネスタワー」、22年竣工の「レジデンシャルタワー」、7月竣工予定の「ステーションタワー」で構成。「ステーションタワー」は、高さ約266メートル、地上49階地下4階建てに、オフィスや商業施設、ホテルが整備される。「TOKYO NODE」が位置するのは、45~49階の最上部。リアル会場演出と合わせて体験価値の高いヴァーチャル配信をハイブリッドで行えるメインホール「TOKYO NODE HALL」を設置するほか、特徴異なる3つのギャラリー、屋上にはスカイガーデンやプール、レストランを備える。
「TOKYO NODE」は、「ここに来ないと体験できない価値を提供すると共に、ここに来られない世界中の人にもリアルな熱狂を伝えるため、デジタル技術を駆使する」(新領域事業部新領域企画部の杉山央課長)場になる。特にメインホールは、46階という高層階で東京の風景を背景に音楽やアートのイベント、企業の新商品発表会などを行える設備を整えると共に、デジタル技術によって、体験価値の高いヴァーチャル配信をハイブリッドで行うことができる。XR時代を想定した最新のホールから、東京のリアルの場で起きている興奮を、338席という客席数に留めることなく、世界に向けて広く発信できる。
発信をする舞台として「TOKYO NODE」は機能するが、発信する情報そのものをどのように創出していくか、クリエーターやアーティストなど、多彩なアイデアを持つ人に対し、いかに開いた街にしていくかが今後の課題になる。そこで、8階には、クリエーターとのオープンイノベーションの場として「TOKYO NODE LAB」を設置した。例えば、デジタル上の街を使って自由に表現してもらう仕組みを構築することで、通常は一部の人によって進められる街づくりのようなものにも、クリエーターやアーティストが参加し、世界に発信できる、新たな都市体験や多様なコンテンツが創出されるように仕掛けていくことなどを企画検討している。
XR時代を想定した最新のホール「TOKYO NODE HALL」(イメージ) ©DBOX for Mori Building co.Ltd.
同社は、建物の高層階に街の理念を象徴する施設を整備してきた実績がある。今年20周年を迎える六本木ヒルズは、「文化都心」をコンセプトに掲げ、高層階に「森美術館」や「アカデミーヒルズ」などの文化施設を配し、文化発信の拠点として深化させてきた。高層階に設置することで、街のコンセプトを誰にでも分かるかたちで視覚化したのだ。同時に、文化は経済活動に匹敵する産業になるとの長期的な判断もあった。
「TOKYO NODE」も、「結節点(NODE)」を意味するその名の通り、虎ノ門ヒルズを象徴する施設として、さまざまな人々、そしてテクノロジーやアイデア、情熱をつなぎ、新しいものを生み出していく拠点となる。東京の中心かつ高層階に配された、この唯一無二の環境における情報発信イベントは、訪れる全ての人にとって忘れられない特別な体験を提供し、発信する都市・虎ノ門ヒルズを動かすエンジンとして、機能していくだろう。
不動産業はプラットフォーマーに
都市の価値は、設備のスペックや駅からの距離など立地といったハードに左右されてきた。これらがテナントへの賃料に反映され、経済的価値も生み出してきた。しかし、「これからはコンテンツやコミュニティが重要になる」(杉山氏)と考える。コンテンツやコミュニティが充実することで、人やモノ、情報が集まり、世界に発信されることで、更に人やモノ、情報が集まるというサイクルが生まれる。それが都市の価値となる。
不動産業がこうしたサイクルを生む場を提供するプラットフォーマーとなるためには、「まさに、六本木ヒルズの森美術館がそうであるように、街や場を作った我々自身が、場を提供するだけではなく、自らコンテンツを創り、場の使い方や、新しい価値を発信していく。選ばれる街として差別化されるために、街としての意思を示していかなくてはならない」(杉山氏)。
将来的には「街を代表するフェスを行いたい。企業やクリエーター、地元の人など多くの人に参加してもらい、それを継続していくことで、現代美術の本場、ニューヨークのMoMAのような〝何かの本場〟として世界から認知してもらいたい」(杉山氏)との希望を持っている。SNSによって個人が情報発信をするようになった。「ステーションタワー」は、街自らが情報発信する挑戦的な事例と言える。
地上250m、都内随一の高さに位置する「SKY GARDEN & POOL」(イメージ) ©DBOX for Mori Building co.Ltd.
公式サイト
■森ビル 公式サイト : https://www.mori.co.jp/
■TOKYO NODE 公式サイト : tokyonode.jp