居酒屋の詩 記事一覧
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居酒屋の詩 (30) 酒呑めばちぢにものこそ悲しけれ 我が身一つの師走にあらねど
常々静かに呑める居酒屋はないかと思っていたら、入口に大きな字で「大声の人、泥酔の人、お断り」と張り紙をしている店を見つけた。私にとって、居酒屋の究極の価値は〝静けさ〟である。 さっそく、期待に胸を(続く) -
居酒屋の詩 (29) 世の中よ道こそなけれ思い入る 酒場の隅の礼節惜しめば
京成線西船駅(千葉県船橋市)の近くにある名店「今ちゃん」が(当連載に2回登場)、今年12月24日をもって閉店することになった。理由は店主の体力・気力の問題なのか、純粋に収益性悪化の問題なのか私は知らない。な(続く) -
居酒屋の詩 (28) 旅をして旅するたびに好きになる その土地土地と人のやさしさ
先々週、青森へ講演に行った。八戸商工会議所不動産分科会と青森県不動産コンサルティング協会共催の研修会講師に招かれた。 人が多い東京を抜け出し、地方の空気に触れるとほっとする。研修会終了後の懇親会場(続く) -
居酒屋の詩 (27) 江戸の面影残す裏路地で 寂しさ癒やす一人酒
私がよく行く八丁堀~茅場町~人形町界隈はどこか江戸時代の面影を残したなつかしい町である。 表通りから一本裏道に入ると、個人経営のような小さい飲食店が並び、更に細い路地に入り込めば地元の常連客しか(続く) -
居酒屋の詩 (26) 友がみな仲間と見ゆる日ぞ楽し 蟹をつまみてほっとしたしむ
全国定借推進機構ネットワークの第1回情報交換会の後に開かれた懇親会は、丸の内永楽ビルディングB1(東京・丸の内1丁目)にある「山陰海鮮炉端かば丸の内店」が会場となった(写真)。 土地柄、それなりの高級感(続く) -
居酒屋の詩(24) 明月や仕事帰りのひとり酒
秋も深まり人恋しい季節だが、仕事帰りの一杯は、やはり一人で呑むのがいい。夕空に浮かんだ真っ白い月に押されるようにのれんをくぐる。 しかし、一人で呑むのにふさわしい居酒屋となると、案外少ないものだ(続く) -
居酒屋の詩 本多信博(23)甲州料理とワインを楽しむ 茅場町駅徒歩1分「甲州肉炉端」
山梨県出身の吉田光二氏が経営者兼店長。今年4月にオープン。甲州牛、甲州富士桜ポーク、信玄鳥とワインにほれ込み、その名も「甲州肉炉端〝炭とやまなし〟」。郷土愛にあふれたユニークなネーミングだ。吉田氏は(続く) -
居酒屋の詩 本多信博 (22) 東京・赤坂にある東北の港町 東北6県の酒と食が集結する「東北酒場」
東北の復興を願い東京・赤坂に誕生した居酒屋。その名も「東北酒場トレジオンポート〈大型店〉」。一ツ木通りよりも一本赤坂見附駅寄りのみすじ通り沿いに本店、横丁店、大型店と3店舗が点在する。少人数、宴会用(続く) -
居酒屋の詩 本多信博 (21) 牛タン専門酒場「べこたん」 京急蒲田駅徒歩5分
京急蒲田駅西口にある商店街「あすと通り」の奥、左手。牛タン専門の大衆酒場だ。「霜降り」「みそ漬け」「塾成炙り」「とろける茹でタン」「薄切り牛タンねぎまみれ」等々。タン好きにはなんとも楽しいお店。味は(続く) -
居酒屋の詩 本多信博 (20) 日本橋川が流れる東京・九段下 優しい主人が迎えてくれる「まつ」
新・中間省略登記で知られる福田龍介司法書士の事務所は、都営新宿線の神保町駅と九段下駅の中間だが(いずれも徒歩4分)、九段下側から行くほうが街並みに情緒がある。上は首都高速だが日本橋川に架かる俎橋(まない(続く) -
居酒屋の詩 本多信博 (19) 東京・四谷の味処「与志井」 腕のいい主人の料理に舌鼓
久しぶりに、四谷・しんみち通りの奥にある「与志井」に顔を出した。1年ぐらい前に常連になりかけたことはあったが2、3度続けて満員で入れなかったことがあり、そのまま足が遠のいてしまった。 〝いい店〟には当(続く) -
居酒屋の詩(18) 味と雰囲気が上々 大衆居酒屋「まるかみ水産」〈東京・西新宿〉
都庁に近い「新宿モノリス」地下1階にある。ごく普通の居酒屋と思って入店したが、味の良さに加え、店長のはるかさんとネパールから来ているという女性店員、その2人の愛想の良さで、たちまちファンとなる。 刺身(続く) -
居酒屋の詩 本多信博 (17) 昼は喫茶店、夜は居酒屋 東京・神田神保町「まつ」
新・中間省略登記で知られる九段下の「フクダリーガル司法書士法人」を訪ねたとき、30分も早く着いてしまったので、昔ながらの喫茶店を探していたら「コーヒー200円」の小さな看板が目に入った。コンビニに行けば1(続く) -
居酒屋の詩 本多信博(16) 料理と酒に大将の個性 東京・水天宮「げん」
東京・水天宮、ロイヤルパークホテルの斜め向かいにある小さな居酒屋。ここは大将が一人で切り盛りするカウンターだけの小さな店だが、「安くて、旨くて、感じよし」の三拍子がそろっている。料理と酒に大将の個性(続く) -
居酒屋の詩(14) 心落ち着く四谷の老舗 しんみち通りの「太平山・総本店」
東京・四谷の「しんみち通り」は〝新橋〟ほどの迫力はないが、サラリーマンが多く行き交う飲み屋街である。そのやや奥、右手にある「太平山・総本店」に久しぶりに行った。近年、店舗の入れ替わりが多いこの通りに(続く) -
居酒屋の詩(13) 炭火焼きBAR「焼鳥監督」 元美術監督が経営
手打ち蕎麦、焙煎珈琲、木工家具など、退職後始めた趣味が高じて本職になってしまったという話はよく聞くが、ここも元映画制作の美術監督だったご主人が趣味で始めたとか。新鮮さにこだわり、注文を受けてから串を(続く) -
居酒屋の詩(12) 心のこもった味とサービス JR小淵沢駅前「入船」
旅行シーズンである。関東では猛暑がいくらか和らぎ始めた。そこで今回は信州の入口といってもいい小淵沢駅前にある食堂「入船」(山梨県北杜市)を紹介したい。 ここは名物の「とろろ蕎麦」と地酒の「横笛」がお勧(続く) -
居酒屋の詩(11) 西船橋駅近く「はないち」に再集結
普段は活発な議論(無駄話)を交わし合う京成西船駅前にある居酒屋「今ちゃん」の常連客も、連日の猛暑でさすがにこの日は元気がなかった。しおれた朝顔の花のごとく、いつもの冴えが見られない。 そこで、常連(続く) -
居酒屋の詩(10) 東京・新橋「日向」(宮崎地鶏料理)
東京ビッグサイトで開かれた「住まい×介護×医療展」を取材した帰り、日本シェアハウス協会(山本久雄会長)と共に共同出展していたHOUSE-ZOOの田中宗樹社長や、めぐみ不動産コンサルの竹田夫妻、それに(続く) -
居酒屋の詩(9) 鴨料理専門店「居酒屋プッシュ」
鴨のしゃぶしゃぶを初めて味わった。その上品な甘み、やわらかな食感が程良い刺激を右脳に運ぶ。これまでホルモンとか、カルビ焼きを美味としてきた自分が小さく見える。神楽坂商店通りを飯田橋口から上がってすぐ(続く)