政策

固定資産税の新築特例は賃貸除外、総務省が提案 政府・税制調査会

 総務省は11月8日に開かれた政府・税制調査会で、2012年度に行われる固定資産税の評価替えに伴う特例制度の見直しとして、新築住宅の税額を一定期間2分の1とする特例措置(新築特例)の対象から賃貸住宅などを除外し、自己居住用に限定するという案を示した。併せて、特例期間や特例割合を国が一律に定めるのではなく、自治体が決める「わがまち特例」を導入する案も提示した。

 これに対し、国土交通省の松原副大臣は、賃貸住宅の対象除外は、賃貸住宅の家賃値上げなど入居者負担につながると指摘。国民の居住安定確保のためにも見直すべきではないとした。また、「わがまち特例」についても、「住生活の安定などは全国的に取り組むべき課題」と言及。「居住する市町村によって税負担に格差が生じるのは国民にとって不都合」と反対した。

 このほか、固定資産税の特例を巡って、総務省は住宅用地の課税標準額を評価額の6分の1などに引き下げる措置(住宅用地特例)についても見直し案を提示した。住宅用地評価額が極めて高い水準にあったため特例を拡充した1994年度以前に戻す案を提示。小規模分は4分の1(現行は6分の1)に、一般分は2分の1(現行は3分の1)にすることを提案した。

 これについても松原国交副大臣は、「住宅用地の納税義務者の大多数は一般の居住者であり、特例割合の引き上げによる税負担の増加は消費の抑制を通じて経済全体に悪影響を与える」などとして、反対の姿勢を示した。

 こうした固定資産税の特例措置については今後、国交省・総務省間で事務レベル、政務レベルの折衝を続け、12月以降、2012年度税制改正大綱取りまとめに向けた税調での議論で、再度取り上げられる見通しだ。