不動産経済研究所の調査によると、2011年のオール電化マンションは4469戸で前年を15.3%下回った。全供給戸数に占めるシェアは10.0%で、前年比1.8ポイント下落した。ディベロッパー各社による設備面のコストダウンの流れ、また、福島第一原発事故による計画停電の実施など節電意識の高まりが、オール電化の採用を押し下げているようだ。
ただ、12年上半期で見てみると、供給は2252戸で前年同期比17.5%増加。上半期としては2年ぶりに増加し、シェアも0.4ポイントアップの10.9%に回復している。
同研究所では今後のオール電化マンションについて、「福島第一原発事故の影響で電気料金の上昇が実施され、その終結地点が見えないこともあり中堅ディベロッパーを中心に採用を見合わせる状況が続くと予想される」と指摘。ただ、エネルギー問題の観点から『省エネ・創エネマンション』への採用増が見込まれるほか、高齢化社会におけるオール電化の安全性・利便性への信頼感が大きいことなどを理由に、「オール電化マンションの供給の落ち込みは限定的と言えそうだ」と判断している。
なお、オール電化マンションが最も多く供給されたのは05年の1万1900戸。最も高いシェア率は08年の19.5%となっている。