三幸エステートが9月10日に発表した「オフィスマーケット」(8月末時点)によると、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の大規模ビルの空室率は4.64%で、3カ月ぶりに上昇した。前月よりも0.25ポイント上昇した。新築ビルへのテナント移転による2次空室の顕在化と、まとまった空室を抱えた大規模ビルの竣工が現空面積を押し上げた。
募集賃料(1坪当たり)は1万8425円で、前月比217円下落となった。4カ月続いた上昇トレンドから再び下落に転じた。同社では、「募集面積の縮小は続いており、一時的な調整の可能性もある。一方で来年以降の新規供給増加を控え、競争力の劣る物件では賃料を下げてでもテナント確保を急ぐ動きも見られる。マーケットの二極化が賃料の上がりにくい市況の背景となっている」としている。