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東商リサーチ 8月・不動産業に増勢感、倒産2カ月連続で30件超

 東京商工リサーチが9月8日発表した「不動産業の倒産状況」(2025年8月度)によると、倒産件数は31件(前年同月比72.2%増、前年同月18件)で、2カ月連続で30件を超えた。1~8月累計は225件(前年同期比18.4%増)で前年同期(190件)を上回っており、年間件数は2014年以来、11年ぶりに300件を超える可能性がある。

 負債総額は44億7300万円(前年同月比63.3%増、前年同月27億3900万円)だった。8月としては、2年ぶりに負債総額は40億円を超えた。負債10億円以上が1件(前年同月同数)だったが、同5億円以上10億円未満が2件(前年同月ゼロ)発生し、負債総額を押し上げた。

 原因別では、販売不振が23件(前年同月比155.5%増、前年同月9件)で2.5倍に急増。同社では、「不動産市況は活況で、貸出金を伸ばしている金融機関もあると聞かれる。ただ、一時期に比べ取り扱う物件によっては販売が難しく、高値掴みのリスクを不動産業界は抱えている。資金余力の乏しい中小・零細企業を中心に、倒産は増勢を強めるとみられる」と分析している。