政策

東洋ゴム経営陣、昨秋出荷停止方針も撤回

 東洋ゴム工業はこのほど、社外調査チームによる大臣認定不正取得の中間調査報告書を発表した。
それによると、大臣認定を取得する担当者は、認定対象の一部の規格の性能に関し、補正を名目として技術的根拠なく算出した値を記載したり、推定に過ぎない値を記載することにより、認定を取得していた。その後、仕事を引き継いだ社員も同様に補正を名目として、技術的根拠のない数値を記載した。製造部からの納期厳守のプレッシャーがあり、上司の監督も不十分だったとしている。
 一方、当時の社長(現会長)ら経営陣は昨年5月に報告を受け、9月には不正製品の出荷停止と国交省への報告の方針を決定した。しかし、一定の補正を行えば、基準内に収まるとの現場からの報告で、先の方針を撤回。出荷を継続していた。
 社外調査チームは、「技術者の基準順守意識が著しくかけ離れていたと共に、会社としてリスク管理、監督が機能しておらず、監査体制にも不備があった」とした。今後も、調査を継続し、5月中に最終報告をまとめる予定だ。