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野村不、阪急阪神不 東京・平井の開発着工 防災性高めた街づくり

 野村不動産と阪急阪神不動産はこのほど、東京都江戸川区で進めている「平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」(平井五丁目駅前地区市街地再開発組合、島村佳孝理事長)について、3月23日、新築工事に着工し、同月31日に起工式を行ったと発表した。竣工は24年度内の予定。

 同地区はJR・平井駅北口駅前広場に面した約0.7ヘクタールの区域。北側に蔵前橋通り、東側に補助第120号線が通る防災幹線道路の交差部に位置する。駅に近接し交通利便性が高いが、早くから商業が発展してきたことで、周辺にまとまったオープンスペースがなく、細街路に面した建物が老朽化しているなど、災害時の消防救助活動が難しいという課題がある。再開発により、防災設備を設置し大規模災害時に対応できる性能を備える。また都市型住宅を供給し、地域拠点としての街づくりを行う。

 同開発事業では高さ110メートル、地上29階建ての複合施設を駅北口の正面に計画している。1階と2階は商業施設、3階は子育て支援施設(認可保育園)、5階以上に約370戸の住戸を配置する。地域の人が利用可能な集会室も設ける。

 防災面では、特定緊急輸送道路に面した防災広場に、災害時の防災拠点となる「かまどベンチ」やマンホールトイレ、ソーラー街灯、防災井戸などを整備する。建物内には一時避難場所、防災備蓄倉庫を設ける。

 住宅は、免震構造、トリプルセキュリティの採用、各階防災倉庫設置、長期優良住宅の認定取得(一部住戸除く)、3階住宅共用部のライブラリーラウンジ、個別ワークスペースなどが採用される予定。22年度中に販売を開始する予定。分譲戸数は約270戸(地権者住戸除く)でファミリータイプ(3LDK)が中心となる。