野村不動産、野村不動産ビルディング、東日本旅客鉄道の3社は、共同で推進している「芝浦一丁目プロジェクト」(東京都港区芝浦一丁目)の事業者として9月28日、起工式を行った。10月1日に着工。同プロジェクトは、国家戦略特別区域計画の特定事業で、約10年間に及ぶ大規模複合開発となる。浜松町ビルディング(東芝ビルディング)の建替事業として、今回着工するS棟(地上43階、地下3階)と、27年度着工のN棟(地上45階、地下3階)のツインタワーの建設が予定されている。竣工予定時期はS棟が24年度、全体では30年度。
面積は約4.7ヘクタール。S棟は高さ約235メートル、延べ床面積は約55万平米。オフィス、ホテル、商業施設、住宅を含む建物となる。
同プロジェクトでは街区全体でのCO2排出量実質ゼロを目指す。最新の省エネ・省CO2技術、「自社施設等での創電」による再生可能エネルギー、「カーボンニュートラル都市ガス」の導入などで実現する計画。今年8月には「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択されている。気候変動への適応策として、水害などの災害にも耐えられる性能も備えるようにする。
今年4月に設立した東京ガス野村不動産エナジー(東京都港区、川村俊雄社長)がプロジェクトへのエネルギー供給を行う。その一環として、燃料電池排ガスに含まれるCO2を有効利用して排水中和するシステムの導入も検討する。