セールスフォース・ジャパンは、「営業1万人調査から見えた売上拡大と人材育成を実現する 最強の組織づくり」と題し、中小企業の営業チームの現状や、目標達成者と未達成者の違い、強いチームづくりを解説するセミナーをオンラインで配信した。同社常務執行役員コマーシャル営業統括本部統括本部長の安田大佑氏と、青山学院大学地球社会共生学部教授で陸上競技部長距離ブロック監督の原晋氏が登壇し、TORiX(東京都千代田区)代表取締役の高橋浩一氏が進行した。
安田氏と高橋氏がまず、目標達成できるチームとできないチームでは、成果を上げるための「共通言語」「活動実態の可視化」「コミュニケーションのバランス」「人材育成の仕組み」に違いがあると提起。これを受けて原監督は、「優秀者を一人だけ育てても転職されてしまい、組織の成果も下がる。メンバーが理念を共有し、メソッドに基づくチームづくりが大切になる」と指摘した。
その上で、「心に響くテーマで理念を掲げて示し、行動指針をつくる。それらを人の心をつかむ分かりやすい言葉で言語化し、体系化させ、チームに浸透させることが重要」とし、「半歩先の目標の達成を促す。その成功体験を積んでもらう仕組みづくりをリーダーが常に思考すれば、成功確率が高まる。仮に目標が未達成でも、結果だけを見て叱り飛ばすのではなく、途中経過をしっかりと管理する。プロセスの中で個々の強みを伸ばせるように的確に指導することが大切であり、日ごろの積み重ねとこだわりが結果を生む。これらを意図的に、戦略的に遂行できてこそ、はじめてリーダーシップといえる」と強調した。
更には、「物事の理解は、時代によって変遷する。参考にはなるが、過去の成功体験や前例主義にとらわれないこと。誰が言ったかではなく、何が正しいかを基準に判断する。意見のいいやすい雰囲気を醸成し、挑戦する姿を受け止める。リーダーが自身の言葉で思いを伝えることで、チームは強くなり、成長する」と説明した。