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大和ハ、36都府県で工場・倉庫に「低放射折板屋根」を採用、熱中症対策に注力

 大和ハウス工業は、建設を請け負っている工場・倉庫などの事業施設において、室内の暑さの原因となる屋根の放射熱を大幅に抑制する独自開発の「低放射折板屋根」を1月から36都府県で本格的に運用を開始する。

 「低放射折板屋根」はアルミ系遮熱シートとガラス繊維系断熱材を組み合わせた独自の低放射裏貼材を折板屋根の下面に接着することで、一般的な折板屋根と比べ日射で高温になった屋根の放射熱を80%以上抑制する屋根材。
屋根材となる鋼板と低放射裏貼材を接着した状態で工事現場に搬入され、一般的な折板屋根と同様の工程で施工できるため、導入コストを抑制できるといったメリットもあり、19年3月から関東・中部・関西圏など一部エリアの空調設備を導入しない新築の工場や倉庫で採用していた。

 工場や倉庫の多くに採用される折板屋根は、日射により高温化しやすく、強い放射熱によって室内を暑くするため、室内作業中の従業員などが熱中症を引き起こす恐れがある。室内での熱中症対策には、折板屋根を上下二重に施工し、間に断熱材を挟んだ二重断熱折板屋根や遮熱シートが採用されるが、一般的な折板屋根と比べ部材や施工工程が多く、コスト増加が課題でもある。「低放射折板屋根」は、二重断熱折板屋根と比較すると、導入費用を7割程度に抑えつつ、同等に暑さを軽減できる。