住友林業などが参画している米国科学財団や米国森林局などの助成プロジェクト「ナーリ・トールウッド・プロジェクト」は6月6日まで、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)世界初となる10階建て木造ビルの振動台実験を実施。第1フェーズとして中大規模木造建築の新たな構法「ポストテンション構造」による試験体を建築し、米国西海岸の災害レベルに基づいた地震波などを基に、米国の耐震基準に基づき米国研究者によって、部材の破損状況や建物への影響などを通じ耐震性能や建築技術の検証を進めている。なお、同プロジェクトにはAQグループも参画しており、5月20日には同社の記念イベントで実験の様子の中継放送を限定公開する予定だ。
また、現在の実験を終了後には、住友林業が同実験の試験体建物を日本の耐震基準の地震力に対応した同社独自のポストテンション仕様に改修し、第2フェーズとして、日本国内で発生した地震波や建築基準法で性能確認が求められている地震波を基に、日本の耐震基準での検証を進める予定。より正確な地震による挙動の予測方法を検討すると共に、米国中大規模木造関連企業との関係強化や、住友林業が国内外で展開する中大規模木造建築への活用を図る方針だ。