全国の建設工事会社2・8万社が利用する工事マッチングサービス「クラフトバンク」などを提供するクラフトバンク(東京都中央区)が運営するクラフトバンク総研(高木健次所長)は、建設工事会の経営者・職人・事務員の合計1506人を対象として、2023年8月上旬に実施した「建設業の2024年問題に関する動向調査」の結果をまとめた。同問題に対して、回答者の83パーセントが「未対応」の状況にあることが分かった。
同問題自体を「知らない」と回答した人は全体構成比34パーセントに上る。その要因として、「残業管理に課題あり」(同41パーセント)との回答者が多い。そのうち、職人の約半数が残業管理に課題感を抱えている。
その対策として、業務管理ツール(原価管理・施工管理)を利用する企業は同32パーセントで、実態としては、従前と同様に回答の多い順に、「手書きの勤怠・日報」(複数回答可で57パーセント)や「表計算ソフト」(同35パーセント)と回答している。
背景として、経営者の全体構成比79パーセントが何かしらの事務作業を行っており、その作業が「毎日2時間以上」掛かる人は同54パーセントに上っている。
同社では、「同問題に取り組む企業は業績が拡大傾向にある。人手不足が進む建設業界において、人の問題に取り組むことが業績を拡大する上で重要と考えられる」と分析。2024年4月の時間外労働の上限規制後の適用後は、「手書き管理からの脱却が大きなテーマになることが予想される」と指摘している。