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企業はGX人材の育成が不可欠に ENECHANGE・アイデミー

 ENECHANGE(東京都中央区)と、アイデミー(東京都千代田区)は、グリーントランスフォーメーション(GX)人材の育成支援を目的に業務提携した。これに合わせて、セミナー「GX推進のために押さえておきたい基礎知識:人材の育成とエネルギーの脱炭素化」を共催した。

 今回の業務提携により、ENECHANGEが脱炭素テック企業としてのGXに関する専門的な知見を、アイデミーが提供するGX人材育成オンライン学習サービス「Aidemy GX」に融合させ、企業でのGX人材の育成を推進していく。

 企業各社では現在、GXの取り組みを喫緊の課題に推進しているものの、経営面や事業企画、研究開発、コンサルティング、投融資などの様々な場面で活躍できるGX人材が不足している。そこで両社は、ビジネスチャンスとする「攻めのGX」と、顧客や政府からの脱炭素に関する要請や法制度に対応する「守りのGX」の両立が必要不可欠と提言している。

 当日のセミナーで、アイデミー事業開発室GX/SXグループリーダーの柳田晃輔氏は、「気候変動の猛暑によってデータセンサーの稼働や、豪雨で工場の操業が停止されるなどの事態が発生している。ESG投資の観点を重視する投資家が増え、欧州を起点として企業での取り組みやルールづくりは、日本にも波及している。企業活動の持続性のためにGHG(温室効果ガス)削減の取り組みが不可欠になっている」と背景を説明。その取り組みとして、「攻めのGXで、既存事業の競争優位を確立する。新規事業の機会ととらえ、規制や法律、他社以上の取り組みから付加価値が向上する。一方、守りのGXでは、GHG排出量の削減に明確な目標を設定し、具体的なアクションを起こしてその結果の情報を開示することが大切となる。その推進役となるGX人材の育成が重要になっている」と解説した。

 また、ENECHANGE法人ビジネス事業部 橘謙二郎氏は、具体的な取り組み方法として、「当社提供サービスの『エネチェンジBiz』を利用するなど、電力会社の比較検討やその切り替えを検討し、再生可能エネルギーの活用などで最適に消費電力を抑えておく必要がある。また、再生可能エネルギーの利用を促進する非化石化証書を用いる取り組みを意識する。スマートメーターを介して電力データを一般事業会社でも活用できるようになった。やみくもに省エネの商材やサービスを選ぶのではなく、データに基づく判断と選択が重要な観点となる。更には、通勤時のEV(電気自動車)の活用など、環境に配慮した活動と環境づくりを通じて取り組みを加速させていくことが求められている」と解説した。