旭化成不動産レジデンスは11月25日、東京都渋谷区で推進中の「渋谷コーポラス」(総戸数45戸)の建替組合を設立した。今後は、24年3月に権利変換の認可を受け、25年春ごろに解体に着手する。新たに専有部2869.47平方メートルの住宅55戸、店舗1戸からなる延べ3967.51平方メートルの地上13階地下1階建てを建設、28年に竣工予定。
「渋谷コーポラス」は日本初の民間分譲マンション「四谷コーポラス」(1956年竣工)を開発した日本信販による9階建て分譲マンションで、1968年に竣工。1981年以前に設計された「旧耐震建物」であるほか、竣工時の図面等書類が現存しておらず、耐震改修工事の実施には、多額の費用と手間がかかる、当時の竣工図面の復元が必要な状況にあった。また、築年数の経過に伴い、特に給排水管の劣化が顕著で水漏れが頻発するなど、新たなトラブルを引き起こすと共に、建物の床や壁の性能、階高などの構造部分をはじめとする設備が現行の物件に求められる標準的な水準を満たしておらず、社会的老朽化の進行も課題となっていた。
同社は18年5月に再生検討パートナーに選定され、再生検討の説明会や個別面談を重ね、建物を維持した場合の費用負担と建て替えた場合の費用負担を比較検討した結果、今年3月に建替決議が成立した。
なお、同社は、「四谷コーポラス」の建て替え事業にも参画。06年に建て替え・大規模修繕等の検討会を開始し、17年3月に管理組合による建て替え決議が17年3月に成立。地上6階地下1階建ての分譲マンション「アトラス四谷本塩町」(総戸数51戸、19年8月竣工)に建て替えた。